多くのAIに関するニュースの中で、Appleに関するものは今まではまったくなかった。だが、AppleもSiriを始めとして、各デバイスの機能や画像処理やマップなどのサービスにおいて、AI技術を活用してきている。
ChatGDPの爆発的な人気で、生成AIツールに注目が集まり、OpenAIに続いて、MicrosoftやGoogle、百度などがAIツールを発表し、AIの分野での取り組みを強化することを明らかにした。しかし、この熱狂的とも言えるAIブームの中でAppleはAIツールの分野において何も発表してきていない。
しかし、ブルームバーグがAppleのAI分野での取り組みを報じた。これもAppleの発表ではない。その報道により、Apple社内では、近い将来のAI分野の発表に向けて、開発が進んでいることが明らかになった。
その報道によれば、Appleは一時はOpenAIのGTP-4の技術をライセンス契約することを検討したようだ。これは驚くことではなく、Microsoftを始めSalesforceなど含めて、多くの企業がOpenAIとライセンス契約を行って、そのAI技術を活用している。
しかしAppleはその道を選ばなかった。それはSamsungが自社開発を選んだ理由と同じで、第三者のサービスを利用した場合のデータ漏洩の可能性を恐れたためのようだ。
Apple社内では、開発中のAIシステムを、多分冗談でAppleGPTと言う呼び名もあるようだ。正式には、このAIシステムは、Apple Ajaxシステムと呼ばれ、Google Jaxシステムを基礎として構築されていると言う。このApple Ajaxシステムは、Google Cloud上で動作し、Appleの自社インフラストラクチャーとAWSを使ってサービスを行う体制のようだ。
具体的なサービス内容は、今後発表されるようだ。報道では、このAI生成ツールはSiriを通じてサービスが行われる可能性が高いとみられる。
Siriは2011年にサービス始まったAIツールでだが、AIによるプライバシー侵害や誤情報の可能性を恐れて、OpenAIのような取り組みを行ってこなかったようだ。AIとしては、その機能は現時点では限定的である。
しかし、Appleによれば、AI戦略は、今まではSiriではなく、その他の分野に注力をして来たという。AIの技術は車のクラッシュや転倒検出などに使用されている。それ以外でも、AIは様々な分野やデバイスですでに使われている。しかし、新たなApple Ajaxシステム開発で、Siriを強化するようだ。現時点では詳細は明らかではないが、遅くとも来年にはバージョンアップされたSiriが登場する可能性がある。
個人的には文章作成には音声入力を使っているが、どうも機械相手に話しかけるのは慣れていないので、Siriを使ってスマホの操作することもないし、家でAlexaに話しかけるのもなんとなく不思議な感じがする。これは私が古い世代に属しているために、機械相手に話しかけて反応もらうことに慣れていないからだろう。
AIツールが普通に普及した社会では、そのような感覚はなくなり、人間に話しかけるのか、機械に話しかけるのかといった区別すら誰も気にしなくなるのだろう。