2023年が記録上最も暑い年だったそうだ。NASAが公開した地球気温報告書によれば、2023年は1880年に測定が始まって以来、最も暑い年だった。2023年は1911年から1910年の平均気温を1.2度も上回っていると言う。
よく話題になるように、子供の時は、最高気温が30℃以上となる真夏日はあまり経験したことがなかった。だが、多くの気象学者は30℃以上となる真夏日更に増加することを予測している。 現時点の東京での真夏日は年間約46日だが、現在の温暖化が進めば21世紀末には、年間約103日にもなるという。
一般的には、反対意見もあるが温暖化は、温室効果ガスの増加が原因と考えられている。温室効果ガスが増えると、太陽からの熱が逃げにくくなり、地球の温度が上昇する。
温室効果ガスの主な種類は、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロン類などだ。これらは自然界にも存在するが、主な原因は、化石燃料の燃焼だ。石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料を燃やすと、二酸化炭素が排出される。また、森林伐採や農業活動なども温室効果ガスの排出につながる。つまり、人類の生活・経済活動そのものが温暖化ガスを生み出している。
温暖化は、すでに熱波や洪水、干ばつなどの極端な天候を引き起こし、農業生産への影響をもたらしている。水資源の不足は飲料水と灌漑水の供給に悪影響を及ぼし、食料生産に影響を与えている。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、第5次評価報告書を発表して、温暖化が引き起こす8つの主要リスクについて警告している。これを見ると、単に暑いだけでは済まないことがよく分かる。
1. 海面上昇による健康被害や生活崩壊のリスク
海面上昇により沿岸部が浸水することで、住民の健康被害や生活の崩壊など大きな影響が予測されている。低平地に位置する島や国などへの影響が特に懸念される。
2. 洪水による健康被害や生計崩壊のリスク
大都市部で内水氾濫が発生すると、住民の健康被害や生活崩壊など深刻な影響が予測される。インフラへの影響も大きい。
3. 極端な気象現象によるインフラ停止のリスク
台風や豪雨などの極端な気象現象により、交通網や電力供給網などのインフラが機能停止に陥るリスクが高まる。
4. 熱波による死亡や疾病のリスク
酷暑日の増加により、高齢者などを中心に熱中症による死亡者が増加する可能性がある。感染症の流行も懸念される。
5. 食料不足や食料安全保障へのリスク
気温上昇や干ばつにより、世界の食料生産量が減少し、食料価格の高騰や飢餓人口の増加など、食料安全保障へ大きな影響が予測される。
6. 水資源不足と農業生産の減少リスク
氷河の融解や降水量の変化により、利用可能な水資源が減少し、農業生産の減少につながるリスクがある。
7. 生態系と生物多様性への影響リスク
生息地の変化などにより、陸域や淡水の生態系が大きな影響を受け、生物多様性の損失が懸念される。
8. 海洋生態系と生物多様性への影響リスク
海水温の上昇などにより、サンゴ礁や北極圏の生態系が影響を受ける可能性が高い。生物多様性の損失が懸念される。
世界各国では、温室効果ガスの排出削減や再生可能エネルギーの導入など、様々な温暖化対策を進めている。だが、南北問題も含めて、世界が一致団結しているとも言い難い。このために、対策が、大きな効果をあげてはいない。だから、個人レベルでも省エネやリサイクルなどの取り組みをするべきだろう。