Google One、会員数1億5000万人突破

by Shogo

Googleのストレージサービス「Google One」の会員数が、1億5000万人を突破した報じられている。2023年2月に1億人を達成してからわずか1年余りで50%増という成長だ。この背景には2024年2月に導入されたAIプレミアムプランの存在が大きいと分析されている。

一般的にAI機能への追加費用に対して消費者は消極的とされてきたが、今回のGoogle Oneの成功は、その認識に一石を投じるものと言える。

Google Oneとは

Google Oneは、2018年に開始されたサブスクリプションサービス。基本機能としてGoogleドライブ、Gmail、Googleフォトで利用できるクラウドストレージの増量を提供し、月額250円(100GB)から様々なプランが用意されている。

今回の成長の原動力は、2024年2月に登場した「AIプレミアムプラン」だという。月額2,900円(米国19.99ドル)で2TBのストレージに加え、Googleの最先端AIモデル「Gemini Advanced」や、Gmail、ドキュメントといったGoogle製品全体で利用可能なGemini機能へのアクセス権が付与される。このAI機能の統合が、Google Oneの会員数を急速に押し上げたという。Googleによると、この有料AIプランにはすでに「数百万」の契約があるという。

AIに金を払うか

ZDNET/Aberdeenが、アメリカで実施したAIアシスタントに関する調査では、製品やサービスに搭載されたAI機能に対して追加料金を支払ってもよいと回答した成人はわずか8%であった。また、CNETによるAlexaデバイスのAIに関する調査でも、同様に冷ややかな反応だった。AIの利用率が高いアメリカでもこのような結果だから、日本では推して知るべしということだろう。

しかし、これらの調査報告とは裏腹に、AIにお金を払う人々の数は急増しているのが現状のようだ。Google Oneでは、AIプレミアムプラン導入以降、会員数の伸びが、かつてないほど加速している。

同様の傾向は、他のAIサービスにも見られるようだ。例えば、OpenAIのChatGPTは、有料プランの契約者数が2000万人を突破し、月間で少なくとも4億1500万ドル以上の収益を上げていると報じられている。ChatGPTの有料プランも月額20ドルであり、Google OneのAIプレミアムプランと同価格帯だ。さらに、Appleの「Apple Intelligence」も、月額10ドルから20ドル程度になるのではないかとの観測もある。

これらの事実は、「AIにはお金を払いたくない」という一般的な意見と、実際に高性能なAI機能に対しては対価を支払う層が確実に存在するという現実もある。

アーリーアダプターから一般層へ

現時点では、AIに対して追加料金を支払うのは、新しい技術やサービスを積極的に受け入れるアーリーアダプター層が中心である可能性が高い。イノベーター理論ではアダプターソーは13.3%とされているので、この層への普及が始まったということなのだろう。彼らは、AIがもたらす生産性の向上や利便性をいち早く理解し、その価値を認め始めているようだ。

だが、Google OneやChatGPTの有料会員数増加は、AIの有料化が一部の先進的なユーザーだけでなく、今後はより広い層にも受け入れられる可能性を示している。今は多くの人々は無料版で十分と考えているかもしれないが、AI技術が進化し、より生活や仕事に不可欠なものとなれば、有料プランへの移行を検討するユーザーは増加していくと考えられる。

AI市場の未来

Google Oneの会員数1億5000万人達成、特にAIプレミアムプランの好調な滑り出しは、AI機能の有料化に対する市場の潜在的な需要を示している。消費者の意識調査ではAIへの追加費用に否定的な意見が見られるが、AIサービスには対価を支払う人々が着実に増えていることは、Google OneやChatGPTの会員数を見れば明らかだ。彼らの成功は、AI市場の本格的な拡大に向けた重要な一歩であろう。

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