食べ物と精神の健康の関係

by Shogo

食べ物と体の健康には密接な関係があることをわかっている。だが、それだけでは無いようだ。今日読んだ記事によれば、食べ物は心の健康にも関係があると言うことだ。

ハーバードの研究者によれば、脳と内臓の関係は子宮から始まっていると言う。その段階で、脳と内臓は、同じ細胞から分化してくるのだそうだ。脳と内臓は、迷走神経でつながっており、ストレスが胸騒ぎや胃の不快感を引き起こす。これは、個人的にも経験がある。その理由が、同じ細胞から発達したからだと初めて知った。

また、食べ物は、体内微生物に影響を与える事はよく知っている。だから最近はよく乳酸菌などが含まれた食品を取るようにしている。記事の中で初めて知った事は、ある種の内蔵細菌類は、うつ病と深い関係があると言うことだ。これについては、初めて聞くとあまり信じられない。体内微生物が気持ちに影響与えると言うようなことがあり得るのだろうか。

セロトニンが気分に関係していると言う事はよく知られている。自分の好きなことをしているとセロトニンが分泌されて良い気分になるのだ。記事によれば、体内で生成されるセロトニンはのうち、たった5%が脳で生成されると言うことだ。残りは内臓で生成され貯蔵されると言うことだ。ここに体内微生物が関与するという。

この記事で、栄養精神学者を初めて知ったが、このような食物と精神の関係を研究しているようだ。研究者によれば、食べ物は体の健康には当然重要だが、精神の健康に対しても大きな役割を果たすと言う。

ストレスがかかると多くの人が、チョコレートやアイスクリームなどに代表されるようなコンフォートフードを食べることが多い。この効果について研究が行われている。この研究は、ストレスがかかった後でチョコレートやアイスクリーム食べたグループと、大麦やグラノラなどの一般的な食品を食べたグループと、何も食べなかったグループのストレスの軽減を調べた。その結果は、ストレスの軽減には差がなかった。重要な要素は、ストレスがかかった段階からの時間の経過で、何を食べても食べなくても関係ないということだ。だから、一般的なコンフォートフードとされるような甘いお菓子は、不安な気分やストレスについては何の影響も与えないようだ。

しかし、他の食品では精神状態に影響があるという。今回発表された鬱の状態にある67人を対象とした食物と精神状態についての研究で相関関係が明らかになった。これらの調査対象者は、加工食品や甘いものを好み、野菜や果物や食物繊維をあまり食べていない人が選ばれている。

半分のグループは、地中海食の説明を受け、サンプルになるような野菜や果物、レシピ、献立を与えられた。残りの半分は、毎週集まって会話をし、言葉でのサポートを受けるが、食事の話は一切しなかった。

3ヶ月後に、食事のサポートを受けたグループは鬱の状態が大幅に改善した。3分の1は完全な回復を見せた一方、食事のサポートを受けてないグループは8%だけが回復した。

同様の調査は、10,000人以上の規模でオーストラリアとスペインで行われている。どちらの研究でも野菜と果物の摂取が幸福感や自己肯定などを増すことがわかった。

記事の中でコロンビア大学の教授は、食べるものの全ての20%が脳に行くと言っている。脳の重要な神経伝達物質や受容体は特定の栄養素やアミノ酸を食べると作られるそうだ。脳の大きな部分を占めるグリア細胞はオメガ3脂肪酸に依存していし、また亜鉛、セレン、マグネシウムなどのミネラルは細胞の活動や脳組織のを構成して気分に直接影響する神経伝達物質の合成を促進すると言うことだ。さらに、体内で生成されるセロトニンは、鉄、葉酸やビタミンB12を必要とする。

このような栄養素を摂取するためには、食品が非常に重要だと言う事は感覚的にも理解できる。野菜や果物をたくさん含む地中海食も体の健康や脳に良いようだ。しかし、その点では日本食も負けてはいない。

ストレスがかかった際に食べる、甘いものなどのコンフォートフードがウエストラインにも影響すると同時に、精神状態の改善には、何の効果がないことが分かった。そこで、問題は、それを脳が理解できるかということになる。多分できないであろう。

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