高血圧対策でダイエットを試みているが、逆に体重が増えてきた。ネットで調べたり本を読んでみると、食事の量も関係するが、食事の時間も関係するようだ。
「朝食は王様のように、昼食は王子のように、夕食は貧者のように」という格言は、昔から知っている。40年も前に上司がやっていて、朝食にトンカツを食べると言っていた。
だから、食事の時間と量が私たちの健康に与える影響は昔から知られている。ネットの情報では、最近の科学的な研究によっても、この古い知恵が裏付けられつつあるそうだ。特に、夕食の量とタイミングが、私たちの健康と老化プロセスに重要な役割を果たすことが明らかになってきたという。
それによれば、体内時計は、細胞の機能を調節し、栄養素の代謝にも影響を与える。朝は体が栄養素を吸収し、エネルギーとして利用する準備ができているが、時間が経つにつれて、肝臓や膵臓などの代謝に関わる臓器の反応は鈍くなるという。
特に、夕食後に血糖値が上昇しやすくなることは、多くの研究で示されている。夜遅くに大量の食事を摂ると、血糖値の急上昇が長時間続き、インスリン抵抗性を引き起こし、肥満、2型糖尿病、高血圧、炎症のリスクを高める可能性があるそうだ。また、睡眠中に脂肪を蓄積する代謝経路が活性化されることも研究により明らかになってきた。
だから、夕食は最小の食事にすべきかというと、そこまで極端にする必要はなさそうだ。だが、必ずしも最小である必要はないが、最大であることは避けるべきだというのが多くの研究の結果から推奨されている。理想的には、夕食は軽めにし、夜遅くに食べることは避けるべきのようだ。1日の総エネルギー摂取量を「朝:昼:夜=3:4:3」または「3:3:4」の割合で分けるのが良いようだ。多くの場合は、2:3:5になっている気がする。
1日の食事の量と時間について、多くの専門家が推奨しているのは、栄養価の高い朝食を摂ることだ。ギリシアヨーグルト、卵、豆類など、タンパク質が豊富で満腹感を持続させる食品を朝食に食べるのが、お勧めとなっている。
そして、昼食を充実させることで、夕食の量を自然と減らすことができる。今食べている夕食を昼食にするということが良いようだ。食べるものは、加工食品や糖分、塩分の多い食品は避け、豆類、焼き魚、鶏むね肉、野菜、果物、全粒穀物など、低カロリーで満腹感を得られる食品にする。と言っても、昼食を充実させるには難しい。時間の制約や約束の有無によって食べ物を選べないことが多いからだ。
そして、夕食は軽めに、野菜スープ、魚料理、サラダなど、消化の良い食品を選び、早めに済ませ、夜遅くの食事は避けるようにすることが、多くの研究者が推奨している。また、これも約束の有無によって難しい。多くの場合には、人と会って話すということが夕食を指定されることが多いからだ。アメリカのように昼食にしてもらえないかと、いつも思う。
食事の時間と量を意識することは、健康的な生活を送る上で非常に重要だということは、すでに結論の出ている問題のようだ。特に、夕食の量とタイミングを見直すことで、肥満や生活習慣病のリスクを減らし、アンチエイジングにも繋がるという。
だが、問題は、先に述べたように、家族団欒や社会的な会合・交際など理想的な食事の量と時間を維持すことは簡単ではない。一人で生活していて誰にも会わないなら、理想的な食事の量と時間をコントロールできるが、それは不可能だ。
だから、「朝食は王様のように、昼食は王子のように、夕食は貧者のように」は昔から知られていても、実現な困難な目標なのだろう。