昨日UEFAが稼いでることについて書いたばかりだ。昨日の時点でもチャンピオンズリーグの決勝の試合開始が30分程度遅れたことが報道されていた。あまり気にも止めていなかったが、大きなニュースになっている。
試合が遅れたのは、入場ゲートのトラブルにより、多くの観客が会場に入れずにスタッド・ド・フランスを取り囲み、フェンスをよじ登るなどで大混乱していたからのようだ。
UEFAの声明によれば、偽のチケットを持って会場に入ろう数千人の人のために、入場ゲートが混乱し、正規のチケットを持つファンを入場させるために試合開始を35分遅らせたとしている。試合は、実際は15分の延期を2回行ったようだ。この辺りに、対応の不手際を感じさせる。
確かにこのような大きなイベントでは、偽のチケットを持って会場に入ろうとする輩がたくさん現れるのは事実だ。これを1人ずつ話を聞いて、対応していると時間がかかるだろう。これらの人については別の列に分けて、正規のチケットを持つ人を早く入場させると言うようなオペレーションが必要だ。
厄介なのは、今までの経験でも故意でなく、騙されて偽のチケットを買ってしまった人の場合だ。同情するが入場させることはできない。
入場ゲートの大混乱は、特にリヴァプール側で多く発生したようだ。リヴァプールは試合中に声明を発表して、スタジアム入場とセキュリティーの崩壊についてUEFAに正式の調査を求めた。
試合の数時間前から、スタッド・ド・フランスの周辺には多くの人が集まっていたにもかかわらず、入場ゲートの多くは閉まったままだだったと言う。このために入場が遅れていたようだ。なぜ、入場ゲートの多くを閉めていたのかは不明だ。
この会場周辺の大混乱のために、試合のハーフタイム前には、すべての入場ゲートは封鎖されて、会場に入ることも出ることもできない状況になった。さらに、集まった群衆に対しては警察が催涙ガスを使うようなことまでしていたと言う。実際にTwitterの動画などでも、その模様が拡散されている。
ちょうど1年前にロンドンのウェンブリースタジアムのヨーロッパ選手権決勝で、チケットのない群衆がスタジアムを大混乱させると言うことがあったばかりだ。
やはりUEFAは、このようなことを想定した上で事前に対応を検討しておかなければいけなかったのだろう。そのためにはなるべくたくさんの入場ゲートを開けて、チケットのホログラムとバーコードの読み取りを行い、問題のあるチケットの保有者には別の待機列に並ばせると言うようなことが必要だ。そうでない限り、ゲートは大混乱になる。
フランスの内務大臣は、チケットを持たないイギリス人が暴徒となって会場混乱させたと発言したようだが、この辺にフランス人とイギリス人の関係も伺い知ることができる。確かに、数十年前はイギリス人のフーリガンと呼ばれる人がサッカーの会場を混乱させたのは事実だ。しかしその後そのような事は、一年前のウエンブリーを除いてあまり起こっていない。
UEFAは、このような大きな試合の運営を何十年にもわたって行っているために経験がないわけではない。サンクトペテルブルグからパリへの決勝戦の会場の変更は3ヶ月前に行われているので、準備ができなかったわけでもない。それがどうしてこのような状況になるのかあまり理解できない。スポーツイベントはファンが会場に入って試合を楽しめて初めて実現する。このようなことが続くとUEFAの巨大ビジネスに大きな影響が出るかもしれない。言われなくてもわかっているだろうが。