「NFLサンデーチケット」の行方

by Shogo

定額映像配信サービスは、アメリカ国内でも激しい視聴者獲得競争を行っている。それは、次世代のメディア・コンテンツ産業の中心となるビジネスだからだ。そして、契約者獲得には、強いコンテンツが必須だ。そこで、スポーツコンテンツの放送権は、契約者獲得の切り札として奪い合いとなっている状況だ。スポーツコンテンツに踏み込んでいないNetflix以外の、Amazon、Apple、Disneyはスポーツの放送権を買いあさっている。

NFLの日曜日の試合の居住地以外の試合を見るための「NFLサンデーチケット」が、今回の入札競争の対象だ。現在はDirecTVがアメリカ国内で配信しており、カナダではDAZNとなっている。このアメリカ国内のDirecTVの契約は2022年のシーズン終了後に期限切れとなる

NFLは、今後の契約は配信サービスにする意向だ。ケーブルテレビを見限ったということだろう。NFLが求めている契約は25億ドルから30億ドルのだ。「NFLサンデーチケット」は、居住地域外の試合のパッケージであるために、居住地域内の試合については、郵便番号を基準にしてブラックアウトされることになっている。

地元チームの試合が見られないパッケージとしては、25億ドルから30億ドルとは、かなりの高値だ。想定される視聴者は、地元から離れて住んでいるファンやスポーツバーに限られる。誰もが見られるパッケージでもないにもかかわらず、この値段はやはりアメリカではNFLは別格だということがよくわかる。

報道によるとDisney傘下のESPNは15億から15億ドル払う用意があると言う。ESPNは既にMonday Night Footballの権利を27億ドルで獲得している。Disneyは、このESPN+とDisney+を組み合わせて獲得を目指しているのだろうか。Thursday Night Footballの権利を10億ドルで獲得しているAmazonも大金を払って契約する余裕はある。

Apple以外は、すでにNFLの放送権を保有しているので、「NFLサンデーチケット」を追加で獲得されれば、NFLの放送局として視聴者の認識がさらに高まるだろう。ただしNFLはNFLの子会社のNFL Mediaへの出資をパッケージとして求めることになっており、これがどのような影響与えるであろうか。

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