相変わらずTwitterとイーロン・マスクのニュースでいっぱいだ。月額7.99ドルで青いチェックマークを使えるようになる変更も実現するようだ。ただし、選挙中の混乱を避けるためにアメリカの中間選挙の終了を待っての実施と言われている。
イーロン・マスクは、自由なTwitterを取り戻すと発言していることから、不適切な投稿内容によってアカウントが取り消された人のアカウント復活が近日中に行われると言われている。このため、Twitterが差別やヘイトスピーチで溢れる状況を恐れる広告主は、Twitterから距離を取り始めていると言う報道もある。
同様に、多くのユーザーもTwitterを離脱して、マストドンMastodonの使用開始する人が増えていると言う。イーロン・マスクが10月27日にTwitterの買収を完了して以来、すでに50万人近い人が、マストドンにアカウントを解説した。この結果、マストドンの月間アクティブユーザ数は100万人を超えたと、創業者のオイゲン・ロホコが、自身のマストドンアカウントで発表している。
現時点では、マストドンのアカウント数は推定450万人と言われている。Twitterの２億3,000万人に比べれば、まだ数では敵にならない。だが、移行が進むと、相互作用でユーザーの利用が一気に進むところが、ソーシャルメディアの怖いところだ。結果としては、勝者が総取りすることになる。
マストドンは、2016年に立ち上げられたソーシャルメディアサービスで、ドイツの非営利団体が運営している。Twitterの代替のサービスとして意図して開発されたそうだ。マストドンは、自らのサービスを、フリーな、オープンソース分散型ソーシャルメディアと説明している。Twitterのように1つのサーバーで全体をコントロールするのではなく、誰でもマストドン・サーバーと呼ばれる自分専用のバージョンを作ることができ、ユーザーは、この分散して存在するどこかのサーバーに参加する。このサーバーが連合して相互リンクして、マストドンのサービスを構成している。この点で、Twitterのように単一のソーシャルネットワークとは違う。
マストドンに参加するためには、少なくとも4000あると言われる、独立したマストドン・サーバーのどれかに参加して、プロフィールなどを登録すると、そこがマストドンのホームとなる。サーバーによっては、招待制のためにすぐに参加できないケースもある。
どのサーバーに参加しても、自由に他のマストドン・サーバーを使っている人と交流したり、すべてのマストサーバーのマストドンアカウントをフォローすることができる。また、他のサーバーに切り替えたりすることもできる。
マストドン・サーバーは、オープンソースで誰でも、コードをダウンロードして立ち上げることができる。ここが、連合型のサービスと呼ばれる由縁だ。
オープンソースで誰でも自由にサーバーを立ち上げるところで問題になっているのは、右派系のGab やTruth Socialも、マストドンのコードを利用して、ソーシャルメディアサービスを行っている。マストドンはこれに反対しているが、フリーでオープンソースであるためにこれをコントロールすることができない。
サーバーの集合体であるために、それぞれのサーバーには独自のルールがある。マストドンの運営主体であるオイゲン・ロホコのドイツの非営利団体も全体をコントロールすることができない。つまり、投稿の内容を監視して、削除などを行う事はできない。また、Twitterのようにアルゴリズムで表示内容をコントロールしているのではなく、単純に時系列で表示をする。マストドンを使ったことがないので、実際は、よくわからないが、いくつかの記事を読むと、外観はTwitterによく似ているそうだ。ただし、先に述べたように時系列で表示されるので、使い勝手はTwitterとは違うのだろう。
個々のサーバーは、マストドンの連合体にに参加しているサーバーをコントロールすることができるようだ。例えば、右派系の団体がマストドンのコードを使用して、サーバーを立ち上げた場合にマストドンの独立したサーバーは、その右派系のサーバーをブロックして、問題のあるサーバーからの投稿をフィードに表示されなくすることが可能だと言う。
ユーザーも、ある特定のサーバーが差別やヘイトスピーチなどが多いと判断した場合、自由にサーバーを変更することも可能だと言う。つまり、Twitterと違って、会社によってコントロールされた内容を見るのではなく、自分の判断で自由な心地よい空間としてのマストドンの世界を選べるようだ。
ちなみに、マストドンとは、その名称は象やマンモスの仲間で、9000年前ごろに絶滅した種から来ている。名前の由来はよくわからないが、双眼鏡持っている象のようなキャラクターはなかなかかかわいい。Twitterの投稿のTweetは、マストドンでは、Tootと呼び、500文字の制限がある。
個人的には研究のためにTwitterもDiscordも登録しているが、実際にはほとんど使っていない。これからマストドンも登録しようと思うが、多分あまり使わないだろう。
