マンチェスター・シティが、イスタンブールで行われたチャンピオンズリーグ決勝でインテルを下して、ついに欧州チャンピオンになった。これで、プレミアリーグ、FAカップとチャンピオンズリーグを征して三冠を獲得した2番目のチームとなった。対戦相手のインテルは、むしろ決勝に進出したのがラッキーと言われて、マンチェスター・シティーの優勝が確実とみられていた。だが、試合は、インテルのイタリアサッカーの堅守が効いて1対0と言う結果となった。ハイライトでしか見ていないが、決勝点となったロドリのシュートは、目の醒めると言うより、うまくコントロールされ、狭い間を通ってゴールの右隅に吸い込まれた。
ちなみに調べてみると、今まで同一シーズンにFAカップ、チャンピオンズリーグ、プレミアリーグの三冠を達成したチームは、1998-1999年のマンチェスタユナイテッドだった。なんと同じ街のライバルが、24年の時を経て、同じ偉業を達成した。
マンチェスター・シティーは1999年頃は、中堅の冴えないチームであった事は間違いない。一方マンチェスター・ユナイテッドは世界のサッカー界でも名門中の名門で通っていた。それがこの10年で立場が逆転している。マンチェスター・シティーは、プレミアリーグで過去6年で5回優勝している。今や紛れもないプレミアリーグの王者であり、名門チームである。2年前の2020-2021年シーズンはチャンピオンズリーグで決勝まで進出しながらチェルシーに破れている。今回のチャンピオンズリーグ優勝はクラブ創設の1880年以来初めてだ。
今回の三冠達成で、なんとなくモヤモヤ感があるのは、マンチェスター・シティの躍進が、10年前にアラブ首長国連邦の投資団体に買収されてから、数十億ドルと言う資金が投入されて、今のレベルに達したとこと言うことである。
スポーツもビジネスであることを考えれば、仕方がないことであるが、財力にものを言わせてというより、マンチェスターシティーは買収後に様々な疑惑があることだ。UAEのスポンサーなどを利用して、UEFAやプレミアリーグの財務規制をうまく回避してきていると言われている。現時点でも100件を超える違反について指摘を受け、疑惑は完全には晴れていない。つまり、他のチームとは違うルールでプレイをしていると言うことだ。素晴らしいプレイをしている選手たちとは、関係ないところで、チームがそのような疑惑を持たれているところは残念なことだ。
今回マンチェスター・シティーはチャンピオンズリーグを征して、ヨーロッパサッカーの頂点に立った。過去のチャンピオンズリーグの優勝回数を見てみると、レアル・マドリードが14回でトップ。この回数は2位以下を大きく引き離している。2 位は ACミランで7回、3位にバイエルン・ミュンヘンの6回、同じく3位に、リバプールの6回。バルセロナが5回で5位に入り、アヤックスが4回で6位だ。今回は敗者となったインテルは3回優勝しており7位だ。そしてマンチェスター・ユナイテッドも3回の優勝で同じ7位。
マンチェスター・シティは、今の財力が続きつくのであれば、この何年後かにはマンチェスター・ユナイテッドのチャンピオンズリーグ優勝3回に並ぶであろうことは間違いない。
昨夜は、日本代表はエクアドル相手に大勝。相手の実力を考えれば妥当な結果で喜ぶほどのことでもない。2026年のワールドカップは出場国が増えて、アジアからの出場国枠は4.5から8に拡大するので、もはやアジアの予選でハラハラすることはない。少し刺激が足りないので、本大会に向けてもっと強いチームとの対戦を組んでほしいものだ。弱いチームに勝って喜んでも仕方ない。