アメリカのTikTok禁止の可能性

by Shogo

アメリカ政府は国家安全保障の観点から、TikTokに対する深刻な懸念を抱いている。これは、TikTokが中国政府にユーザーデータを提供する可能性があるという疑念に起因している。すでに公的な機関が所有する端末からはアプリが廃城されている。この問題は、国際的なテクノロジー企業と国家間の緊張関係を示しており、米中関係の悪化や技術覇権争いといった大きな問題にも直結しているようだ。

TikTok側は、アメリカ政府の懸念を払拭するためにデータの安全性を確保するための措置を講じていると主張しているが、アメリカの議会や大統領は禁止に向けた議論を進めている。面白いというか不思議なのは、大統領在任中にTikTok禁止を主張していたトランプ前大統領は、現時点では禁止に反対している。現政権の政策には全部反対という簡単な理由かもしれない。

今後、アメリカ政府とTikTokの交渉や世論の動向によって状況は大きく変わる可能性がある。この動きは、アメリカ市場におけるTikTokのビジネス、そしてアメリカのユーザーに大きな影響を与えるだろう。

TikTok人気の理由

TikTokの人気は、その独自性と投稿のための様々なツールの豊富さに起因する。15秒から3分という短い動画フォーマットは、忙しい現代人にとって非常に魅力的だ。さらに、TikTokのアルゴリズムはユーザーの好みを学習し、パーソナライズされた動画を提供することで、エンゲージメントを高めていると言われている。

TikTokは、ユーザーが自分の好みに合った動画を容易に見つけ、楽しむことができるプラットフォームだ。また、多様なエフェクトや音楽素材を使って、クリエイティブな動画制作が可能なことも大きな魅力となっている。ユーザーはハッシュタグチャレンジなどを通じて、楽しみながらコンテンツ制作に参加することができる。これにより、TikTokは音楽やファッションなど様々な分野でトレンドを生み出し、特定の商品を売ったり、アーティストの人気を高めたりする影響力を持っている。

アメリカでのソーシャルメディア利用状況

2023年12月のデータによると、アメリカの人口約3億3240万人のうち、約2億9200万人がインターネットを利用し、その中で約2億4200万人がソーシャルメディアを利用している。これは、アメリカのインターネット利用者の約73%に当たる。特に若年層の利用率は高く、18歳から24歳の間では98%、25歳から34歳では97%、そして65歳以上でも48%となっている。

これは、ソーシャルメディアが幅広い年齢層に受け入れられていることを示している。主要なSNSプラットフォームとしてはFacebook、YouTube、Instagram、Twitter、TikTok、Snapchatが挙げられ、これらのプラットフォームはアメリカ人の日常生活に深く根ざしている。ソーシャルメディアはニュースや情報を収集する主要な手段として利用されるほか、家族や友人との交流、商品やサービスの情報収集、エンターテインメント、個人の意見表明など多様な目的で使用されている。

プラットフォーム別の利用者数は以下の通りだ

  • Facebook:約2億3000万人
  • YouTube:約2億1000万人
  • Instagram:約1億3000万人
  • Twitter:約7000万人
  • TikTok:約6500万人
  • Snapchat:約5300万人

約6500万人も利用者数がいるTikTokは単なるソーシャルメディアプラットフォームを超え、文化的、社会的、さらには政治的な影響力を持つ存在となっている。

驚くことに、TikTokで定期的にニュースを得ると言う米国の成人の全体的な割合は、ピュー・リサーチ・センターの調査によると、2023年では14%に達している。

アメリカにおけるTikTokの禁止は、米中関係の悪化だけでなく、ユーザーやマーケティングにも影響を与え、ソーシャルメディアの環境を大きく変える可能性がある。

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