メディアと広告の関係は先祖返り

by Shogo

アメリカでは2020年に通常のテレビ放送に投じられる広告費は、10%減少し.広告を受け入れるストリーミングサービスであるHulu YouTube 、NBCのPeacockに投じられた広告は12%増加した。

日本も傾向は同じである。2020年の総広告費は6兆1594億円(前年比88.8%)と前年を大きく下回った。地上波テレビと衛星メディアを合わせた広告費は、前年比89.0%となり、なかでも、地上波テレビ単体では88.7%まで落ち込んだ。一方、インターネット広告費は成長を続け、「マスコミ四媒体広告費」に匹敵する2.2兆円規模、総広告費全体の36.2%の市場となった。この中で、動画広告は、着実に伸び、前年比121.3%となり、インターネット広告費全体の2割を超えた。

テレビ放送が始まった時期に、企業はメディアとより深く結びついていた。日本で長く続いた東芝日曜劇場のように、GEは「ジェネラル・エレクトリック・シアター」と言う番組を放送していた。その番組のホストは、後に大統領になったロナルドレーガンだ。

さらに少しさかのぼれば、ラジオの時代からプロクター・アンド・ギャンブルはラジオドラマを始め、ソープオペラと言われた。これがテレビの時代になっても、P&Gの番組が続き、ソープオペラは,主婦を対象とした連続メロドラマの普通名詞としても今も使われている。

最近でも様々な事例がある。パタゴニアは、DamNationと言うダムについてのドキュメンタリーを2014年に制作している。パタゴニアの環境保護の姿勢を訴えるためのドキュメンタリーだ。

PepsiもPepsi Maxのコマーシャルに出演しているNBAスターのKyrie Irving(カイリー・アービング)が扮するキャラクターをベースにした映画を制作し、公開した。

Airbnbも映画を制作しているし、Apple+で配信されているTed Lassoは、NBCスポーツがイギリスのプレミアリーグの放送の権利を獲得したときに、プロモーションとして制作したものをベースにして、現在10話まで配信されている。

このようなプロモーションの形は、ブランディッド・エンターテイメントと呼ばれている。インターネットに動画が載るようになった頃に多くの企業が商品が登場する長尺の動画を制作した。それは単なるコマーシャルではなく、エンターテイメントとして楽しめ、しかし同時にブランドのプロモーションになるようなものが多かった。ブランディッド・エンターテイメントはそのようにして始まった。

これがストリーミング配信の時代になると、広告の形ではなく消費者に訴えるために、映画やテレビ番組を提供したり共同制作をすると言うのが1つの方法となった。さらに、以前から存在する、プロダクト・プレイスメントも重要性を増した。

NetflixやAmazon Prime Videoなど広告を受け入れられないサービスにおいて、消費者に訴えるためには、全体を制作して関わるか、登場する商品について制作者と契約をして商品をそのコンテンツ内に入れ込むと言う方法が、プロダクト・プレイスメントだ。

このようなことから、広告は1周回って、テレビやラジオの初期と同じようにより深くメディアと関係を持ってプロモーションを行うことが普通になった。

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