マーク・ザッカーバーグが最近の中間決算の発表において、Facebookをさらに若い人にピーするするように変えていく。そのためにさらに様々な方策をとっていくと述べた。
実際に、Facebookは歳をとった人のソーシャルメディアになっている。大学で多くの学生に、どんなソーシャルメディアを使っているか聞いているが、InstagramをあげてきてもFacebookを利用していると答える学生はいない。
それでもFacebookは30億人の世界の月間アクティブユーザがいる。これは現時点での最大のソーシャルメディアネットワークである。世界の人口は77億人と推定されているので、赤ん坊から老人まで含めて全体で38%の人が利用していることになる。日本では、Facebookの月間アクティブユーザ数は2,600万人で、この数字は2018年の2,800万人をピークに減少気味だ。
Facebookは、全世界では伸びているが、日本ではやや減少気味。そして世界でも日本でも20代30代の利用者は少ない。そういう意味でマーク・ザッカーバーグの理解は正しくて、今のままだとFacebookは衰退に向かっていく可能性がある。
だからこそ2012年に若いターゲットを中心とするInstagramを買収している。それはすでに当時からも、競合を潰すと言うこともあるが、Facebookのユーザの高年齢化を憂慮していたと言うことだ。
ただし現時点では、Facebookは、2021年の第3四半期で、前年比33 %増の28億ドルの利益を上げた。会社としては17 %増の92億ドルの利益を上げている。つまりアプリとしてのFacebookの利益は大きく伸びている。
会社の業績としては問題なく、順調だ。だが、今回、内部告発者が公表したFacebookの社内文書によれば、Facebook社内ではInstagramが10代に使われなくなってきたこと、現在のFacebook やInstagramのユーザは高齢化が進んでおり、Instagramユーザはその後Facebookにスイッチすることもないことなどを問題にしているようだ。
これは会社の永遠の成長を考えたとしたら、問題だとFacebook社内では考えられているようだ。
さらにFacebookが抱える問題としては、10代の女性に与えるメンタルヘルスの問題や、そもそもFacebookやInstagramが収益を上げている個人のデータや行動履歴等がAppleのプライバシーポリシー変更により影響を受けていることなどから、今後も同様に利益を上げていけるかどうか不透明な面もある。
一方、アメリカ議会では、巨大になったFacebookの分割の議論もされており、マーク・ザッカーバーグにとっては心配事ばかりと言う状況なのかもしれない。