先日Amazonが、その広告事業の広告収入を発表した。それによれば、2021年第4四半期が97億ドル、通年では310億ドルだった。これはYouTubeの2021年の広告収入288億ドルをはるかに凌ぐ数字だ。
そして、今度はWalmartも広告収入の発表をした。Walmartの昨年の広告収入は21億ドルであった。これは、Pinterestの26億ドルに匹敵するものである。2020年の日本の広告費全体6兆1,594億円と比べれば、1ドル、115円計算で2,990億円。広告費全体の約5%にあたる。また、日本の主要テレビ局の売上を上回る。
WalmartはAmazonと同じように、そのオンラインストアでの検索連動型広告を外部に販売している。また、インターネット広告技術の会社のTrade Deskと協力して、広告販売するデマンド・サイド・プラットフォームの運営も行っている。こちらのビジネスは、Walmartが持つ、顧客の購入履歴を活用して、広告を販売するものである。
今回の発表では、前年との対比がなかったので2020年の状況がわからない。想像するに、あまり力を入れていなかったので、2020年は微々たるものだったのだろう。
Amazonの広告収入がYouTubeを上回る規模になっていると同じように、Walmartも広告ビジネスに力を入れ始めた。利幅の小さい小売業に比べ、広告ビジネスは利益率が大きいから、魅力的なのだと思われる。
そして、Walmartは、Amazonにはない強さがある。それは10,500店もの店舗運営していることだ。店舗において、購入データに基づいた広告が行なえ、それを広告主に販売できる。また、インターネット上でも、店舗での購入履歴のデータに基づいた広告配信が可能だ。その意味で、リアルとインターネットの両方を持つ強みがWalmartにはある。