FIFAワールドカップ2年間隔化の「死」

by Shogo

FIFAワールドカップ・カタール大会の組み合わせ抽選が開かれた。日本は、スペインとドイツと同じ組に入った。メディアでは、既に「死の組」と言われている。確かに厳しい組み合わせだが、強豪国が2チーム含まれるのは、どの組も同じだ。

日本の初戦は11月23日で対戦相手はドイツとなる。これに勝てるかどうかが、グループステージを突破できるかどうかの分かれ目だろう。ドイツの、2014年のブラジル大会での優勝はまだ記憶に新しい。あのチームに勝てるのだろうか。先日のベトナム戦のような戦いぶりでは勝ち目は無い。今後のチーム仕上げや戦術について森保監督にお任せするしかない。期待して11月末まで待とう。

そのワールドカップについて、FIFAのインファンティーノ会長が、2年間隔の大会への移行を、前回のFIFAコングレスにおいて主張していたが、これを引っ込めるようだ。先週行われたFIFAコングレスでは、2年間隔の大会を検討すると言う決議をしただけだと発言している。弁護士であるインファンティーノ会長にしてはあまりにも辻褄の合わない発言だ。検討するどころか、以前は2年間隔の大会は新たな44億ドルの収入をFIFAにもたらすと高らかに宣言し、移行を決定を意図した事は明白だ。

この方向転換は、UEFAやその他のサッカーファミリーの猛烈な反対にあったからだ。実際UEFAは2年間隔の大会になると毎年90億ドルの損失になると強い反対の声をあげていた。ヨーロッパの強豪クラブも同様だ。これで2年間隔のFIFAワールドカップの計画は完全に消えてたとみてよい。

これで、決まっている今後のFIFAワールドカップの変更点は2026年からの出場国数の拡大だ。今大会までの32カ国の出場枠は、2026年のアメリカ・カナダ・メキシコの三カ国共催による大会から48カ国に増える。これで、アジアからの出場は現在の4.5枠から8.5枠に増え、日本の出場の可能性は高まった。今回のような出場できるかどうかのハラハラはなくなる。

ただし48カ国に拡大することにより、試合数は80試合に増え、現行よりも下位のチームが出場することにより、一方的な勝敗がつく凡ゲームが増えることが予想される。またグループステージの試合数が、3試合から2試合に変更されることで、最低試合数が減ってしまう。これは、日本での放送権に影響が出る。

今回のカタール大会の放送権がなかなか決まらなかったように、日本の最小試合数は2試合となってしまうために、高い放送権料を払える放送局の確保は、さらに難しくなる。当然のこととして、放送では決勝より日本戦の価値が圧倒的に高いからだ。

2026年からは、試合数の拡大とともに、多くの試合がテレビでは収支が合わないために、インターネット配信に移行することが予想される。このために放送局の座組みも、今回と同じように、ABEMAのようなインターネット配信と既存の地上波・BSのテレビ局の組み合わせになるのだろう。そして、多くの試合の放送はインターネット配信のみになる。それが、今回のように無料であることを祈ろう。

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