まだ暑いが今朝は秋の空。
今年のミネアポリスの事件以来、ブラック・ライヴズ・マター(Black Lives Matter;BLM)の運動が激しくなっている。大阪なおみ選手も抗議の声を上げながらUSオープンでr活躍中だ(決勝まで行って欲しい)」、この問題に対して色々なエリアで対応する動きがある。
アメリカのアカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences)は2024年のアカデミー賞から4つの「多様性受容」基準のうち2つを満たさないと作品賞にノミネートされないと発表した。
そのルールは以下の通り。
1.出演者
・中心になる俳優あるいは主要な助演俳優のうち最低1人はマイノリティであること。その際のマイノリティとは、アジア系、ヒスパニック系、黒人、先住民、ネイティブ・アメリカン、中東系、北アフリカ系、ハワイ先住民と他のパシフィック・アイランダー。
・全ての俳優のうち30%が下記のカテゴリーであること、あるいはストーリラインがマイノリティにフォーカスしていること。
女性、LGBTQ、上記のマイノリティ、認知障害、肉体障害
2.制作スタッフ
3.有給のトレーニング・見習いプログラム参加者
4.配給やマーケティング業務スタッフ
NYTでは、2、3.4の割合については報じられていないが30%とかの基準があるのだろう。
アメリカの映画製作の関心は、今までは市場だから、日本で受けるように日本人俳優を使うとか、中国でヒットするように中国人俳優を使うとかやってきたわけで、今回は政治的圧力でやや俳優の起用の考え方に制限がかかる程度しか考えていないだろう。
BLMの運動は盛り上がっている。大阪なおみ選手の出ているUSオープンでも政治的な意見の表出は禁止されているが、今回については人種的な融和のために認めるということになっている。だから、大阪なおみ選手の犠牲者の名前を書いたマスクも許されている。
調べてみると、BLMの運動は 2012年のフロリダでの事件の後で2013年から始まっている。それが、今年のミネアポリスのジョージ・フロイドさんの事件の後で火がついたようだ。
今回のアカデミー賞の新しい基準は、アメリカでは1960年代から行われているアファーマティブアクションの一環とも言えるかもしれない。雇用や大学入学などで、一定数以上のマイノリティを含めるという逆差別が積極的に行われてきた。
それが60年近くも行われてきても何も変わっていない。強制的に雇用されたり大学入学されても有効に、そのチャンスを行かせる人とできない人がいるものだ。
数合わせのような基準を設けることではなく、演技や映画制作に関する職業訓練を行うとかマイノリティ対象の奨学金を設けるとか対策を同時に行うべきだ。
日本でもアメリカでも同様だが、問題に対する対策は骨折にバンドエイドを貼るようなことで根本的なことを行わないのはなぜだろう。費用や手間、あるいは本気ではないからか?