かなり感激した。
北島選手の金メダルを期待して見に行ったのは事実、でも本当に金メダルを目の当たりにしてなんと言えない感激。連覇の重圧などはねのけて、本番で世界記録を出せるのはたいしたもの。
期待していたとは言え、実際に北島選手が金メダルを受け取る時には、何もしていない私ですら、日本人として誇りを感じた。これがオリンピックの感激なのだろう。普段は国など考えた事もないのに日本を感じた。北島選手ありがとう。
こういう場面で きちっと結果を出せる北島選手はやっぱりたいした人。日本人は期待とかの重圧に弱いような気がするが、あなたはは別だ。この勢いと実力で200mも金を取っていただきたい。
この日の期待はもちろん、この瞬間。 この前の女子100m背泳の中村、伊藤両選手の予選通過や、男子200m自由形の奥村選手の予選通過で盛り上がったものの、待っていたのはこの試合。
ダーレオーエンやハンセンが並ぶなか、私は緊張した。
写真を撮っていても、私はどきどきしていた。
祈るような気持ちというのだろうか。
実力があるのは知っていてかなりいいレースをしているのも分かっていたが、途中から写真を撮るどころではなく、手を鳴らし声を上げ応援した。
ゴールもいいとは思ったが、一位かどうかは分からない。数秒、数分?待って結果がディスプレイに表示され、北島選手の金が分かった。周りは日本人が多く、みんなでハイタッチをして喜んだ。あなたはすごい人です、北島選手。
手に持っていたカメラのことは忘れていた。あの何秒かは、日本人はみんな我を忘れていたのかも知れない。私が世界記録を出したわけではないのだが、あんなにうれしかったことは最近なかったような気がする。
家族を愛する以上に国を愛する気持ちもないし、普段は国旗のことを考えたこともない。真ん中で揚がる日の丸を見て、考えたのは、北島選手の達成感なのだろう。普段の努力や練習、いや生活のすべてがこの瞬間のためにあった筈だ。その結果が、日の丸と君が代なのだろう。
彼に比べれば、昨日も酔っ払ってよく覚えていない夜を過ごして帰って来た私だ。少しはましな人間になりたいと、二日酔いの目で昨日の写真を見ながら思った朝だ。もう手遅れなのだが今日から考えを変えよう。会社に着いたら、その決心も忘れていると思うが。