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Amazon 創業者のジェフ・ベゾス氏がワシントン・ポストを買収したというニュースが流れているが、これでワシントンポスト社は3年前の雑誌Newsweekの売却に続いて主要事業を手放したということだ。この何世紀か続いていた紙に印刷するメディアの終焉が近いと感じられる。アメリカでは資本が主要事業を売却して別の産業の企業を買収して新しい事業をするということは珍しいことではないから驚くことでもない。印刷メディアの時代を生きてきたものとしては時代の移り変わりを感じる。
ワシントンポストの買収はAmazon.comではなく、 ジェフ・ベゾス氏個人なので今後、両者の事業がどういう関係になるか現時点では分からないが、Amazon.comは本から事業を始めたが、すでに数多くの商品の取り扱いを開始しており、すべての商品の小売業になる日は近いと思われる。
そのAmazon.comは美術品の取り扱いを始め、Amazon Fine Art Storeとしてすでに公開されている。
アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真も2万5千ドルで売られている。ブレッソンの 写真は銀塩だが、銀塩は数が少なく、全体的にはCプリントかインクジェットが多い。値段も何千万円とかは無いが何百万円はたくさんある。安い方では99ドル以下が結構ある。
Amazon Fine Art Storeというくらいだから、当然、写真だけではなく 絵画などかなりの点数が集まっていて見るのに時間がかかる。でもそれが結構楽しいのだが。Amazon Fine Art Storeがアートのマーケットに与える影響を考えると、従来の画廊などとは違って敷居が低く、値段の安い新人などのマーケットが活発化するかもしれない。