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大観と言えば霊峰富士という先入観で行ったので、この絵には驚いた。まるで印象派。「菜の花歌意」と題された作品は明確な対象物が描かれていなくて色と光だけが描かれている。そう言えば昔、「朦朧体」という言葉を習った気がするが大観だったのだ。霊峰富士は欲しくはないがこの絵は欲しかった。
墨絵も線を描かずにぼかしたり、あるいは片側だけぼかした片ぼけは物のボリューム感を出すのに使われていてどれも成功しているように見えた。
一番好きだったのは、「洛中洛外雨十題」のうちの「辰巳橋夜雨」 。墨に緑を少し使ったこのシリーズはどれも良かったが、特にこの「辰巳橋夜雨」は建物のらしき立方体の配置とぼけ具合が非常に好みの感じだった。
なお、撮影は夜間特別展覧会のために特別に許可されておこなった。
「横山大観展―良き師、良き友」
会期:2013年10月5日(土)~2013年11月24日(日)
※会期中展示替えがあります。(前期:10月5日~30日、後期:11月1日~24日)
休館日:毎週木曜日
会場:横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3-4-1)
開館時間:午前10時~午後6時(入館は閉館の30分前まで)