地中海食と言う言葉を初めて聞いてから、まだ10年は経っていないと思う。しかし、今朝読んだ記事によれば、地中海食と言う概念が発見された調査は1950年代から行われていたようだ。
それを知らなかったのは、地中海食も含めて食生活に興味を持つようなメンタリティーではなかったからだ。若い時は不死身だと思って無茶な生活をしていた。多くの日は真夜中まで働いて、食生活もめちゃくちゃだし、毎日酒を飲んで、時には朝まで飲んでいて、数時間寝て会社に行くと言うようなことの繰り返し。さすがにこれではもたないと思ったこともあったが何とか生き延びた。健康診断の結果は、高血圧、肝臓、コレステロール、中性脂肪宿に要注意が多かった。だが病気と言う事の事でもなかった。ただ医者から同じような数値がずっと続くようなら死にますよと言われて驚いたことことがあった。それ以来、週末の1日は休肝日として酒を飲まないようにしていた。
ともかく、その生活だから、健康法に興味があるはずがない。その頃にアンチエイジングと言う言葉もあったかもしれないが聞いたこともなかった。しかし、年をとって体の衰えを感じて、生活気をつけなければと思い始めた途端に、肝臓の数値が急激に悪化した。多分長年のツケが回ってきたのだろう。
脱線したが地中海食だ。歳をとってから、多分この10年ほどは食事に気をつけている。そんな中で、健康のための食事として、地中海食のことをどこかで読んだり聞いたりしたのだろう。世の中全体も健康ブームだから、多くのメディアが様々な健康法を取り上げる機会が増えたような気がする。そこで自分も関心を持つようになったので、注意を払っていたから地中海食を知ったのだろう。
今朝知ったのだが、地中海食の概念を発見した研究は1950年代末から始まっている。この調査は7か国調査と呼ばれ、様々な食生活・ライフスタイルを持つ7つの国が選ばれて調査対象となったそうだ。それは、日本、アメリカフィンランド、ユーゴスラビア、オランダ、イタリアギリシャだ。これはこの研究を企画したミネソタの学者が、他の多くの研究者と協力をして食生活に特徴がある地域を選んだと言う。
それぞれの国を全体的に選んだのではなく、例えば日本では、九州の農村と漁村が選ばれた。農村は九州の北部のするTanushimaruと言う地域で、漁村は九州の南部に位置するUshibukaと言う場所だったそうだ。英語の表記なので、日本語の漢字はわからない。
この調査では家庭で食べる食品の脂肪の値と、コレステロールや冠動脈疾患の関連を調査していた。1970年には5年間の調査結果として、飽和脂肪酸摂取量とコレステロール値が、冠状動脈心疾患と強い関係があることが発見されている。その後も、この調査を続けられ25年後と50年後にもフォローアップの調査も行われた。
この調査の過程で、イタリア、ギリシャ、クロアチアなどの地中海沿岸では、他の地域よりも心、血管疾患の発生の低いことを見つけた。この地域で食べられる食事法がそれと関係があるとことが推定され、地中海食という言葉が生まれた。その食事は、果物、野菜、豆類、全粒穀物、ナッツ、種子、低脂肪タンパク質、オリーブオイルなどの健康的な脂肪から成り立っている。これが地中海食と呼ばれ、心臓病や血圧コレステロール、糖尿病の発生のリスクを抑えることが知られるようになった。つまり、これらの食事法が健康に良い事は1960年代には既に知られていたわけだ。
今日では、私ですらもよく知っているように、地中海食は健康に良い食品が中心になっている。動物性タンパク質としては、魚が中心でサーモン、イワシ、マグロなどのオメガ3脂肪酸を含む魚が食べられる。他に動物性タンパク質としては、脂肪の少ない鶏肉や七面鳥は食べられるが、赤身の肉やバターはほとんど食べない。
卵やヨーグルト、チーズなどの乳製品はほどほど食べられるが、量は多くない。アルコールは夕食時にワインを一杯程度。非常に健康的だ。このようにまとめているのを見ると、必ずしもトマトが含まれていなくても良いようだ。だが、地中海食と聞くとトマトを思い浮かべる。
50年にわたって行われた7カ国調査以外にも多くの調査が行われている。2018年に発表された研究では、26,000人の女性の調査の結果として、地中海食を忠実に守った人は、心血管疾患の発症のリスクが25%も低下していたがわかった。また、この研究では、地中海食は、神経疾患やがんなどの慢性疾患の原因となるDNA損傷を引き起こす酸化ストレスからも保護することも報告されている。
しかし、一方では地中海食が万能ではないことも指摘されている。それはオリーブオイルやナッツ類は心臓に良いが、カロリーが高く、大量に摂取すると、太りやすい食品も含まれているからだと言う。
これには、反対の調査結果もある。イタリアで3万人を対象に行われた調査では、12年間地中海食を忠実に守った人は、あまり守らなかった人に比べると肥満になる可能性が低いことがわかっている。これは多分程度の問題であり、大量にオリーブオイルやナッツを食べると、太るのは当たり前のことだ。
地中海食にも欠点があり、赤身の肉を取らないために鉄分が不足する可能性があると言うことだ。このために鉄分不足を補うために、ナッツ、豆腐、豆やほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜を多く取る必要があると言う。また、柑橘類、トマトなどのビタミンCが豊富な食品も鉄分の吸収を助けるために摂取が勧められている。
歳をとるとともに体が衰え、内臓の数値も良くはない。このために健康法には関心があるから、そのような情報に接することが増えてきたと思う。本当は健康な時期に、もう少し知識があれば、いまは、もう少し健康だったのかもしれない。
健康法に関心が向くようになると、その情報が溢れていることに気がつく。最近どこかで見たか読んだりしたのは、緑の地中海食と言う言葉だった。地中海食はトマトのイメージがあるから、一種の撞着語法的な響があってキャッチーだ。
緑の地中海食とは、一般的な地中海食に加えて、抹茶のお茶を飲み、くるみをスナックにして、浮草を食べると言うような食事法だったと記憶している。抹茶とくるみは良いのだろうが、浮草ちょっとと思うので、あまり積極的に取り入れたくない健康法だ。
そもそも健康法に関心が出てきた段階で、すでに健康ではなくなっていると言うことの証拠だ。だから、体に良い事は多少とも取り入れるべきであろうと思っている。抹茶とくるみを今日は買ってこよう。