1ヵ月ほど前から歯にしみるようになって、歯科に通っている。歯医者は、年に2回東京にいるときに、かかりつけの医者に行ってクリーニングしている。特にその時には歯石が多いと言われた事はないが、年に2回だと少ないのかもしれない。広島でも2回行って、3ヶ月おきにするべきだろうか。
多分、医者に聞けばそうしろと言うだろう。歯科では特に治療ということではなく、痛みを感じる歯の根元に消毒液を塗っているのが治療だ。歯茎が下がってきているので、歯の根元が露出を始めている。そこにしみるということで、消毒液を塗るのは根本的な治療にはならない。他に良い方法がないようだ。そんなことで口の中に問題を抱えていると、口腔衛生が全身の健康にとって、重要な理由と言う記事が目に付いた。
記事によれば、口腔衛生は全身の健康に大きな影響を及ぼす。特に、歯周病は糖尿病、心臓病、認知症などのさまざまな健康問題と関連していると考えられている。これは、以前より知っているので目新しい情報ではないが、現に歯に痛みがあると新たな意味を持つ。
メカニズムとしては、歯と歯茎周辺に有害な細菌が蓄積して悪化すると、歯周病になる。歯周病は、歯を囲む歯茎と骨の感染症と炎症で、この炎症が全身に影響を及ぼす。歯肉炎を放置すると、歯肉が退縮し、骨が失われ、歯が抜けたりして、さらに歯周病が進むようだ。
そして、歯周病が進むと、細菌とその毒性副産物が歯肉や歯の表面から血流に移動し、さまざまな臓器に広がる可能性があるそうだ。これが、いくつかの疾病を引き起こす。こわいのは、ニューヨーク大学の教授によれば、歯磨きやフロッシングの際の切り傷の場合でも起こり得ると言うことだ。今、歯に痛みがあるということは、炎症があって、これが起こっている。
歯周病と関係すると考えられているのは、糖尿病、心臓病、肺炎、妊娠合併症、認知症などだ。特に糖尿病と歯周病の関連性は証拠となる研究結果がある。歯周病は糖尿病のリスクを増加させ、逆もまた真ということだ。歯周病によって引き起こされる全身性の炎症が、インスリンに反応する体の能力を悪化させるかもしれないとする研究報告があるという。
特に怖いと思ったのは肺炎の原因になるということだ。バッファロー大学歯学部の教授によれば、口腔内の細菌が大量に吸い込まれ、肺に定着すると、細菌性誤嚥性肺炎になる可能性があるそうだ。老人の死因で多い誤嚥性肺炎は、食物の飲み込みの際に起こるのかと思っていたが、歯周病も原因だと知って驚いた。
心疾患については、2020年に発表された、国際的な専門家チームの報告書が紹介されていた。その報告書は、歯周炎と心臓発作、脳卒中、動脈へのプラーク蓄積、その他の心血管疾患との間に大きな関連性があると結論付けた。
また、2019年に発表された研究は、韓国に住む健康な成人約25万人の健康記録を調べた。その研究によれば、約10年間で、定期的に歯を磨き、定期的に歯のクリーニングを受けている人は、歯の衛生状態が悪く、虫歯が多くでき、歯を失った経験や歯周炎を発症した人に比べて、心血管イベントを起こす確率が低いことが判明している。
認知症、特にアルツハイマー病についても、口腔内の健康状態との関係が疑われているようだ。「口腔内に存在する細菌は、アルツハイマー病患者の脳組織で確認されています」と書かれており、アルツハイマー病における細菌の役割の可能性を指摘していた。
歯周炎に関連する細菌は、「中枢神経系への感染」を介して脳に直接影響を与えるか、脳に到達する「慢性全身性炎症」を誘発することで、脳に間接的に影響を与える可能性があるということだ。この記事の中で、これも怖い。
口歯周病は、さまざまな健康問題と関連していることは知っていたし、この記事でよくわかったが、問題は解決方法が毎日歯を磨き、フロスを使用することだとされていることだ。確かに毎日はフロスをしていないので、毎日すべきだ。だが、わかっていてもできないのが人間だから、何か解決方法が提示されると思って読み進めても、最後は歯磨きとフロスでは拍子抜けだ。それほど、他に良い方法がないから、多くの人が歯周病になるということなのだろう。
ネットで調べてみると、歯周病にならない方法として以下のようなことだ。
１．歯磨き：毎日2回、朝と寝る前に歯を磨く。歯磨きの際は、歯ブラシを45度の角度で歯茎に当て、歯と歯茎の境界を中心に磨く。
２．フロッシング：歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯ブラシだけでは磨ききれない歯間のプラークを取り除く。これも毎日。
３．歯科検診：定期的に歯科医院で検診を受け、クリーニングを行う。硬化したプラーク（歯石）を取り除く。
４．健康的な食生活：砂糖の多い食品や飲み物を避ける。バランスの良い食事を摂り、特にビタミンCとカルシウムを十分に摂る。
５．喫煙の禁止：喫煙は歯周病のリスクを大幅に高める。
毎日のフロス以外はだいたい大丈夫だ。それでも、この歯の痛みだ。
