ネット世代の買い物行動について日経の記事に書かれていた。首都圏で調査された渋谷109ラボの調査からの抜粋と言うことである。Z世代の15から24歳の女性の69%はブランドや商品を認知する場としてInstagramを上げている。第2位がTwitterで、第3位が動画配信サービス。続いて第4位に39.5%でテレビが入る。女性ではInstagramが圧倒的だ。
男性では第1位はTwitterで、第2位が動画配信サービスで、テレビが第3位に入る。記事からは正確な数字わからないが、男性の上位の第3位までは45%から50%の間だ。Instagramは第4位だ。これで見ると若い男性は、まだまだテレビが重要な情報源と言うことのようだ。
女性はInstagramと言うのは他の調査からも分かっている。だが、この調査では、ブランドや商品を知る情報源を聞いているので、マーケティング的には大きな意味がある。意外に低いのはTikTokで男女ともに上位には来ていない。
それから、この記事の中で面白かったのは、インフルエンサーについての話。
ファッション業界の、社員のインフルエンサーがタレントなどの著名人と比べて、ユーザーとどれほど結びつきがあるかを調べている。
対象となったのはファッション業界の社員やスタッフで、日本一の店舗スタッフを決める「スタッフ・オブ・ザ・イヤー」の第一次通過者の中からフォロワー数の多い100人を選んで、タレントと比べた。フォロワーに対する「いいね」の数を比べている。社員インフルエンサーの「いいね」の数の比率の中央値は2.3%で、フォロワー数上位の芸能人の1.7%を上回った。また、コメント数の比率でも社員インフルエンサーの方が多かった。
これはやはり、消費者は馬鹿ではないと言うことだろう。金で雇われて、コメントしたり、登場しているタレントの投稿は嘘に近いものだということがよくわかっていると言うことだ。それに対してその商品に近いところにいる社員の投稿やコメントがまだ信用できると言うことが感覚的にわかっているからということと、多分、実際に会った人が多いということが影響している。
インフルエンサーマーケティングは、ある意味流行語だ。主要なメディアになるソーシャルメディアでの、企業の対マーケティング策として多く用いられてきている。ステマになってはいけないと言う問題もあるために、ガチガチの説明文がつくことも多い。そのような状況の中で、タレントが商品を紹介するのは嘘だと当然のように見透かされている。高い契約金払って利用してもあまり効果がないのかもしれない。
可能性として考えられる有効な場合は、そのタレントが実際にその商品が好きで普段から使っていると言うことが知られている場合のみだ。
そのような状況を考えると、社員インフルエンサーを起用は有効な方法であろう。一般的にはその領域で名前の知られた人を使うと言う方法が有効とされてきている。例えば料理では料理研究家と言うような方法だ。
ソーシャルメディアを有効に活用すること自体は、まだ明確なものがない。だからファッションで成功しているのであれば、他の商品カテゴリーでもその商品の企画者、研究者や販売担当者をインフルエンサーとして起用して率直な発言をするというのが1つの方法かもしれない。