数日前の日経新聞によれば、パナソニックやニコンはコンパクトデジカメの新規開発を取りやめたそうだ。
パナソニックはLumixブランドの低価格機種の開発を中止し、ニコンもCOOLPIXブランドの小型デジカメの開発を中止する。富士フイルムは、コンデジのブランド、FinePixの廃止を決めて既に生産も中止している。ただ、富士フイルムは、レンズ一体型では、Fuji X100 Vのみ開発を続けると言う。私の好きな機種が残ってよかった。キャノンもIXYの新製品を2017年以降は出していない。ただし「需要がある限り開発や生産を続ける」と話していると言う。ソニーも「新製品開発を打ち切るわけではない」と話す一方、2019年からCyber-shotブランドの新製品を発売していない。カシオ計算機も2018年に小型デジカメEXILIMの生産を終了している。コンデジは、すでに死に体ということだ。
同記事によると、スマホの普及で、コンパクトデジカメ市場はピーク時の3%まで縮小していると言う。3%減ではない。3%になってしまっている。
確かにスマホを持っているとコンパクトデジカメの必要性はあまり感じない。場合によってはコンパクトカメラどころか大型のカメラと同じような写りをする。以前は常に小型のカメラを持ち歩いていた。最も最新の機種は、Fuji X100で、既に買い換えて2代目だ。しかし、それも今は持って歩いていない。写真を撮りに出かけようと思う時以外は、スマホで撮った写真で充分だと思っている。
記事によると2008年はコンパクトデジカメの過去最高の出荷台数を記録した年だそうだ。iPhone発売直後だ。その台数は1億1,007万台。凄い台数だ。しかしiPhoneは2021年だけで2億3,790万台を出荷している。これだけ見ても、市場に溢れているカメラの台数は莫大なものがある。そのような状況の中でコンデジだけではなくカメラそのものも、よほど趣味性の高いものでないと売れない。
しばらく前に各社とも一眼レフの開発から撤退して、ミラーレスに集中すると言う報道もあった。を今後は各社ともミラーレスだけの開発や生産を続けるのであろう。それが、唯一売れる機種だということだ。
パナソニックは5月にライカと提携を発表し、カメラやレンズ、ソフトウェアの共同開発に取り組んでいる。このプロジェクトは、LiecaとLumixでL2 L Squared Technology (エル・スクエアード・テクノロジー)と呼ばれている。ライカの現行のLeica Q2のようなレンズ一体型のカメラの開発を行っているかもしれない。以前よりライカとパナソニックは協業しており、その流れの中で新機種の開発を進めているようだ。
パナソニックのLumixブランドは小型コンデジから撤退し、高級コンパクトデジカメを発売する計画を占めているのだろう。そのような市場はまだあると思われる。Leica Q2を始めとして、富士フイルムのX100、リコーのGR、昔のフィルム時代で言えばContax Tのようなカメラだ。
パナソニックもライカも機種や発売時期ついては何も発表していない。多分来年とかに発売されるのだろうか。スマホの普及で写真はますます身近なものになり、逆にカメラはますます遠くなった。スマホ電話と思うからそう思うだけで、カメラだと思えば、そうでもないのかもしれないが。