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平日の夜や週末に下北を歩き回っているが、この環境が大きく変わるかもしれないということをなんとなく知っていて不安に思っていた。先日、「Save the 下北沢」 という運動をしている人から話を聞くチャンスがあった。聞けば聞くほど、どこでも繰り返されている官僚における事なかれ主義と政治におけるリーダーシップの不在が下北の問題を引き起こしているようだ。
下北沢駅の北側に幅26mの道が通ることが一つ目の問題、駅のそばの市場を壊してロータリーになり、そこの茶沢通りのあたりから道を作るが二つ目の問題。
発端は戦後の復興計画で線をひかれた東西の道、補助54号線に始まる。戦後の復興や日本経済の発展を企図して、東西の道路計画がつくられたことは問題がない。問題は、高度経済成長を経て、列島を改造してどこも同じ町並みにする愚について私たち日本人は十分に学んだ今となっても計画を見直さないことだ。大きな道路をたくさん造りモノやヒトの動きを活性化させ経済を発展させることは戦後のある時期から高度経済成長と呼ばれた時期までは有効な施策だったことは確かだが、低成長、少子化、エコロジーの時代になって60年以上も前に造られた計画を見直さないのは、どこかおかしい。問題になっている八ッ場ダムなどの同じように決めたから変えないとか、投入した資金が無駄になるとかいう議論ばかりで何が必要かという議論はまったくない。
まして下北はまだ未着手だからサンクコストの問題さえない。現状や今後の街づくりの方向性に合わせて計画を一から造ることは可能だ。