新型コロナ感染症は収束の気配もない。重症者も増え気味だ。経済活動を復活させなければいけないから、そんな環境では人間同士の接触は避けようもない。
政府の開発した新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)により感染者との接触を捕捉することが感染の拡大を防ぐ、一つの方法だ。実際、世界各国が同様なアプリを開発して普及に努めている。日本でも、「cocoa」、「コロナ」、「接触アプリ」で検索すると、検索連動型広告(リスティング広告)が表示される。普及のプロモーションを行なっているようだが、成果が上がっていない。リスティング広告をクリックすると、厚生労働省のサイトに飛ぶが、普及は8月20日現在で、1405万件ということだ。人口に対する普及率11.1%。スマホの普及率は85%だから、まだまだ普及は進んでいない。接触確認のアプリは60%の普及を超えると効果が出てくるようなので、まだまだだ。世界各国も同様なアプリを政府が開発して普及に努めているが、日本と同じように普及は進んでいない。7月の段階でドイツでは20%だし、 アイルランドではスマホの普及率の1/3程度。イタリアでも7%。
普及が進まない背景の一つは、プライバシー保護という個人の心理的な障壁があると思う。どこで誰に合っているか何でことは政府であれ誰に対してであれ共有したくない。まるで自分のプライバシーを覗き見されるような気味の悪さがある。スマホ保有者が全員、ダウンロードすれば効果があることは誰でもわかっていると思うが、そこは踏み切れない。
AndroidとiOSのアップデートの時に、デフォルトで組み込まれていて、異議申し立て者だけが外せるというようにしなければいけない。案外、面倒だから全てOKでインストールしてしまうと思う。そもそも、個人情報保護のためにApple/Google Toolkitで開発され、どこかに個人情報が保存されることはない。Apple/Google Toolkitを使っていない世界の他のシステムでも同様だ。
日本でもリスティング広告でプロモーションをおこなったりしているが。それでは不十分だろう。PayPayのローンチの際の巨額のインセンティブとはいかなくてもポケモンGOのような技術を組み込んでゲーム化するというような仕組みとか、そこまでいかなくても単純に簡単なゲームや絵文字のダウンロードなどの仕掛けをすべきだろう。
ともかく、感染者を防ぎながら経済を再開するためにはできることは全て行うべきだ。国民的な人気のあるようなキャラクター、ジブリのそれとかの協力で、アプリに画像がついてくるとかできないだろうか。マーケティングとか行動経済学者の協力で早急に普及案を開発してほしい。
それで思い出すのは、中国の領収書のシステムだ。領収書に番号がついていて、賞金がついている。その場で当たりがわかるのだ。私も一度当たって賞金、500円程度をもらった。これは購入者が請求書を必ず要求して事業者に税金を納入させるシステムだ。中国はこのような心理的な機微を汲み取ってシステムを作り上げている。日本や世界各国も学ぶべきだろう。