オリンピックに向けて様々な建築の続く北京だが、前門は中でも最も大規模な都市改造が行われている地区である。東京で例えればどこが良いのか分からないが、例えば浅草のような町のメインストリートを完全に封鎖して両側の建物を全て建て替えているのだ。完成後には明だったか清だったかの時代のテーマパークのような街に生まれ変わると言う。
前門エリアは天安門広場の南端にあたり正陽門と箭楼の2つの建物が建っている。正陽門は皇帝の正門で、高さが40メートル以上あり、かつては北京で一番高い建物だったそうだ。海外からの使節やマルコ・ポーロなどもこの門を通って皇帝に謁見したのだろう。この二つの建物は城壁で繋がったいたそうだが今は城壁はない。上の写真の建物は箭楼。
通りの北と南の入り口には完成予想の絵が書かれた巨大な壁が建てられ中の様子は分からない。この通りには皇帝がお忍びで来たというようなレストランもあったらしいが現在は移転している。前に行った開封第一楼なども元はここにあったようだ。多分、工事の終了後にはこちらに戻るのであろうが、オリンピック前に完成するのだろうか。
前門エリアには地下鉄の駅がある他、たくさんのバスのターミナルになっており人通りは多い。
封鎖されている前門大街に並行する道にはバス停が通りに沿ってあるので人通りが多い。
このエリアは北京の外城のなかの古い繁華街なので商店などが多い。さらに南下すると大柵欄という大規模な商店街になる。
工事のためのか普段からそうなのか乱雑な雰囲気である。
大通りに面した建物はほとんど建て直しか化粧直しの対象になっているようで工事現場がずっと続く。
オリンピックの時期の観光客をきれいな街で迎えようという準備なのだろう。遠くに見える建物は正陽門。
表通りは化粧直しだが、この辺りの胡同は古くてあまりきれいでない建物が多いがこれは多分きれいにはならないのだろう。本当は見せかけより劣悪な住環境、衛生状態の改善が望ましい。日本でも同じようなことがよくあるのでよその国のことをあまり言えないが。一党独裁であろうと民主的に選ばれた政権であってもやっていることは同じという見本だ。
本当の問題はそのままで表面はきれいな街が出来上がる。取り残されるのは国民だ。
この後、大柵欄まで行ったが今日も出かけるのでここまで。