日本のコロナウィルスの新規感染者数は、また1日の記録を更新して、2,388人になった。多くの都道府県でも記録を更新している。
GoToトラベルや気の緩みなど様々な原因で感染が広がっている。特に気になるのが、8月頃の20代30代を中心とした感染ではなく、高齢者も含む年代に広がっていることだ。
もう一つの原因には、PCR検査数の増加がある。8月頃は1日2万件程度だった検査数が、今は3万件になっている。これでは感染率が同じでも感染者数が増えるのは当然だ。
だからといって。感染者数の急増は問題はないと言うことではなく、高リスクの高齢者や基礎疾患を持つ人を守るためには、様々な対策が必要だ。
新しいキャッチフレーズは「5つの小」だそうだ
小池都知事は様々な言葉を繰り出してくるが、今回は「5つの小」だそうだ。 少人数、小一時間、小声、子皿、子まめと言うことなのだが、おまじないとしては効き目があるが、それだけのことだ。政治は言葉による民衆の扇動と言う側面もあるが、今の状況でこれで良いのだろうか。5つの小の実践が多くの人の命を救えるのだろうか。医師会等は交通トラベルの制限を訴えているが、何らかの具体的な対策を行わないと感染はまだ広がる。
ヨーロッパでは感染の広がりを受けてロックダウンがまた行われている。一方、中国や韓国では強い対策がとられているために、感染は今のところ封じ込められている。そういうことを考えると、日本の対策はスウェーデンが採用したような、何の対策も行わず感染を広め集団免疫を目指すと言うような方向になっているということなのか。
経済的な苦境に陥っている飲食業や旅行業を救うために、今は経済や人の動きを止められないと言うことなのか。止めた場合の営業保障などの予算措置の問題か。
強い対策が取れないから、一般の人の5つの小で対策すると言うのは無策と言うより他にない。まるで第二次世界大戦中のB29に竹槍のような政治と言わざるを得ない。であれば、いっそ集団免疫に向かっていると言えば良いものをそういう勇気もないらしい。
緊急事態宣言は今?
ワクチンが実用化される見込みが見えてきたので、この半年ほどを乗り切ればと言うような心理が働いているのだろうか。誰にも未経験なので解らないことばかりで、後知恵なのだが、今になって考えると、あの春の緊急事態宣言は本当に必要だったのだろうか。本当は今が緊急事態宣言なのではないだろうか。
新型コロナ感染症の問題でステイホームが始まってもうすぐ9ヶ月。色々なことが急速に変わった。このような状態を考えると仮にワクチンが接種され始めても、今の状況はそのまま続く。多くは心理的な問題だからだ。
新しいビジネススタイルが必要
企業や従業員はリモートワークが中心になるだろうし、自宅から注文できるようなEC、ゲーム、オンライン配信といったものはビジネスやマーケティングの中心になる。流通業や娯楽だけでなく、2019年まであったビジネスの仕組みを徹底的に見直さないと生き残ってはいけない。何もなければ、10年か20年先のビジネスモデルを2021年に始めないと未来はない。それは5つの小のような言葉遊びではなく、実態を伴ったビジネスモデルと働くスタイルの再構築だ。
もう一つ、政治が対応しなければいけない問題がある。コロナ対策で紙幣を印刷して配るような状況になっているので、株、ビットコイン、金などが急騰している。これから資産インフレがやってきそうな気配だ。ますます持てる者と持たざる者の格差が広がる。資本主義の宿命とは言え、このような社会にあって弱いものをどうやって救っていくかが、コロナ対策とともに政治が向き合わなければいけない課題となる。それをどう考えているのか知りたいものだ。