一日中、日本代表の勝利の話をしていた。授業でも会う人ごとに。良い気分だ。名前負けしていても、努力するものは勝てると証明された。世界は正しい方向に進んでいるそんな気分だ。
FIFAワールドカップ・カタール大会の開催国であるカタールは、人権侵害や同性愛の違法化など世界の一般的な価値観からは、かけ離れていると言う非難が多い。また、そのような国でワールドカップを開催しているFIFAに対する同様に多い。
しかしながら、FIFAそのものが,今までもこれからも欺瞞と不公正に満ちた存在だから仕方がないことだ。どんな世界も同じで、サッカーの世界だから違うと言う事は無い。公正世界仮説を信じたい気持ちがあるが、世の中はそれほど甘くない。
カタールの政治体制や制度が異常なことはわかっていたし、サッカーと言うスポーツにおいても、決して実力が伴っていたわけでもなかった。カタールは、今回は開催国枠で出場ができたが、そのような形で出場しても一次リーグで3連敗と言う結果は予想されたことだ。
2010年に開催国としてカタールが決定される際には、FIFAの幹部の何人かが買収容疑で逮捕されたり、当時のプラティニ副会長も、カタール政府とフランス政府の圧力の前に投票を変えたとも言われている。
このようなFIFAの不公正さは、大陸別のワールドカップ出場枠にも現れている。今回のカタール大会までのワールドカップと同じで、出場国数は32チームだ これの大陸別の出場枠は以下の通りとなる。
- ヨーロッパ13
- アフリカ5
- アジア4.5
- 北中米カリブ海3.5
- 南米4.5
- オセアニア0.5
これは、サッカーの歴史やその国のサッカーの実力が反映されていることも事実だ。しかしながら、FIFAで発言力を持つヨーロッパや南米に偏っていることは否定できない。
各大陸連盟別のFIFAが加盟国数と、上記のワールドカップ出場枠の割合は以下の通りとなる。
- ヨーロッパ 55 出場可能性 23.6%、
- アフリカ 54 出場可能性 9.3%
- アジア 46 出場可能性 9.8%
- 北中米カリブ海 25 出場可能性 14%
- 南米 13 出場可能性 34.6%、
- オセアニア 10 出場可能性 N/A (0.5枠なので)
このように圧倒的に南米とヨーロッパの出場できる確率は高い。その分、アフリカやアジアは低く抑えられている。先にも書いたように、その国のサッカーの実力が反映されている事は否定できない。しかしながら、この枠数はFIFAの中の政治的な取引によって作られたことも事実だ。
2026年のカナダ・アメリカ・メキシコ三カ国共催大会は48チーム出場に参加数が大幅に増える。次回の大会の48チーム枠から、同じ出場可能性を算出すると下記のとおりだ。
- ヨーロッパ 13から16 出場可能性 29.1%
- アフリカ 5から9 出場可能性 16.6%
- アジア 4.5から8 出場可能性 17.3%
- 北中米カリブ海 3.5から6 出場可能性 24%
- 南米 4.5から6 出場可能性 46.2%
- オセアニア 0.5から1 出場可能性 10%
- これに加えて、プレーオフ2
プレーオフの形式・方法は公表されていないが、6大陸間によるトーナメント形式で行うという報道もされた。
48チームになった際にも不均衡は解消されない。ヨーロッパでは、三カ国で1チーム弱、南米ではなんと2カ国で1チーム弱という枠になっている。
北中米カリブ海の出場枠が、開催国枠がとの関係でどうなるかはわかっていない。まさか、カナダ、アメリカ、メキシコの三カ国が開催枠になるとは思わない。仮にそうなら、北中米カリブ海の6枠は3枠になる。
今回の枠数決定でも、参加チーム数が増えることによる大会の質を維持することが考慮されていると推測される。それでも、もう少し、ヨーロッパと南米は譲るべきだというのが、公正世界を信じたい私の気持ちだ。
とはいうものの、今朝確定したグループ16進出のチームの大陸別の、参加枠からの突破率は以下の通り。
- ヨーロッパ 8 チーム 61.5%
- アフリカ 2チーム 40%
- アジア 3チーム 66.7%
- 北中米カリブ海 1チーム 28.6%
- 南米 2 チーム 44.4%
- オセアニア 0
この1次リーグ突破率を見ると、ヨーロッパや南米も、北中米カリブ海を除くと、40%から60%程度に収まっており、実力を考えると適切な枠数とも言える。むしろ、今回の大会の結果からだけを見れば、北中米カリブ海を1枠減らして、アフリカに分配すべきかとも思う。
今朝の試合で、一次リーグが終了。色々なことが起こる大会の一次リーグの最後にカメルーンがブラジルを負かした。アフリカの国がブラジルに勝つのは初めてだそうだ。だが、スイスが勝ってしまってはどうしようもない。昔のカメルーン旋風再びと思ったが、そうはならなかった。次は月曜日の夜だ。