今週驚いたのは、メッシのインテル・マイアミへの移籍だ。パリ・サンジェルマンから退団は確定的だったので、移籍は驚かないが、だが移籍先がMSLと言うのはと言うのは意外だった。
確かにヨーロッパリーグからMLSに行った選手は、過去にもデビッド・ベッカムやウェイン・ルーニーなどたくさんいる。しかし、彼らは印象としては峠を過ぎて、よく言われる「年金リーグ」への移籍は明白だった。しかしメッシは違う。7ヶ月前にFIFAワールドカップので優勝したばかりだ。確かに年齢はMLS移籍時のベッカムやルーニーの年齢よりも上だが、今がまさに円熟期といってもいいような状態にあり、衰えは見えない。
そんなメッシが移籍するなら、2年前に涙を流しながら退団したバルセロナ以外にはないと思っていた。それか、大金で有力選手集めているサウジアラビアだ。ロナウドなどの有力選手の獲得しており、金額で考えればサウジアラビアに行く可能性も高いと思っていた。
サウジアラビアリーグは有力選手にはサウジアラビアの観光振興の役割も果たす対価として高給を支払っている。メッシにオファーされた金額は5億ドルとも言われている。
それがマイアミである。
バルセロナではなかったことついては、メッシ自身の言葉で語っている。それによれば、バルセロナの経済的な苦境を考えると、メッシの移籍により、そのサラリーを支払うために現有メンバーの何人かが売却され、チーム全体のサラリーも下げられる可能性があり、それを望まなかったと言うことだ。
サウジアラビアについても、経済的な理由だけならサウジアラビアだったと答えている。だから、金額ではなく、彼の言葉では、家族のことも考えて、MLSに行くことを選んだようだ。確かに、母国アルゼンチンは、マイアミから近い。
インテル・マイアミのオーナーの1人はベッカムだ。ベッカムが口説いたのかもしれない。インテル・マイアミの契約にはMLSのサラリー規定の例外にする条項や、現役引退後にオーナーになる権利や、メッシと生涯契約を結んでいるadidasや独占放送権を持つAppleとの収益分配契約も含まれているようだ。つまり5億ドルほどでは無いにせよかなり高額な契約であることは間違いない。
メッシがインテル・マイアミのピッチに立つのは、7月に入ってシーズン中の移籍開始が認められるようになってからなので、しばらく時間がかかる。
しかし、フロリダのスポーツファンはそれまでにもたくさんの楽しみを持っているようだ。NHLのフロリダ・パンサーズはStanley Cupファイナルの最中だし、マイアミ・ヒートもNBAファイナルを戦っている。MLBでもタンパベイ・レイズはアメリカンリーグ東地区の1位で、マイアミ・マーリンズはナショナルリーグ東地区の第2位。今年はフロリダのスポーツチームは大盛り上がりのようだ。そこにメッシのインテル・マイアミへの加入でさらに盛り上がる。
サッカーについては2026年にFIFAワールドカップが、カナダ・アメリカ・メキシコで開かれることから、MLSには追い風が吹いている。メッシの加入はさらに、注目を加速させる。また、MLSの独占放送権を獲得しているApple TV+にとっても、このメッシの移籍は大きなボーナスとなったことだろう。