FIFAクラブW杯が2025年アメリカ開催

by Shogo

FIFAクラブワールドカップの21回目となる大会が、出場32クラブに拡大して、2025年6月から7月にかけてアメリカで開催されると発表された。

大幅に拡大された、大陸連盟別の出場枠は2023年2月のFIFA理事会で決定されている。UEFAが最多の12枠、CONMEBOLが2番目に多い6枠。AFC、CAF、CONCACAFには4枠が与えられ、OFCとホスト協会は1枠ずつとなった。有力なクラブの数を考えると順当であろう。この大会では、OFCには有力なクラブが存在せず、一方的な試合になってきたが、FIFAとしてはOFCにも枠が必要なのだろう。

次回大会から4年に1度の開催となり、4年間の各大陸連盟主催のクラブ選手権大会の優勝クラブが出場することになる。AFC、CAF、CONCACAFでは、4年間の大会の優勝クラブで枠が埋まる。4より枠が多いUEFAとCONMEBOLは、4年間のクラブ・ランキングの上位クラブが出場する。ただし、1つの国のサッカー協会2クラブまでと言う制限がついている。その例外は、大陸連盟のクラブ選手権で優勝したクラブが2クラブより多い場合には、例外として2クラブを超えて出場する。現時点で日本からの出場決定は、2022年にAFCチャンピオンズリーグを征した浦和レッズだ。

FIFAクラブワールドカップは、2021年より、それまでの毎年開催から4年に1度の開催に決定していた。この時に、それまでの参加クラブ数が7から24に拡大されることになっていた。しかしながら、新型コロナウィルス感染症のために、4年に1度と参加クラブ拡大は見送られ、それまでと同じ毎年開催・7クラブの参加で開催され、2021年にはUAE で2022年にはモロッコで開催された。2026年大会が、新しいフォーマットでの初めての大会となる。

FIFAクラブワールドカップの前身は、「トヨタカップ」と呼ばれていた「インターコンチネンタルカップ」である。1960年代から、サッカーのクラブ世界一を決める大会としてインターコンチネンタルカップが行われていた。

この大会では、欧州(UEFAチャンピオンズリーグ)と南米(コパ・リベルタドーレス)の王者同士が直接対決し、「事実上」の世界一が決められていた。そのため、欧州と南米が世界のサッカーの2大中心地であった時代には、これ以上の大会は必要とされていなかった。開催地は、欧州と南米で開催されていたが、中立地での開催が望まれたために、1981年からは開催を中立地である日本に固定し、そこから「トヨタカップ」の通称で知られるようになった。

ながく、サッカークラブ世界一の決定戦として「トヨタカップ」は高い価値を保った。昔、ACミランのオフィスに行ったときに、そのトロフィールームの中心に「インターコンチネンタルカップ」と「トヨタカップ」が誇らしげに飾られていたことを思い出す。

しかし、1990年代末に、当時のFIFA会長であったゼップ・ブラッターは、「クラブの世界一決定戦においてもワールドカップと同じように全大陸連盟の代表による、真の意味の『クラブ世界一』を決めよう」と提唱した。この提唱により、FIFAが創設したのが「FIFAクラブ世界選手権」である。これには、当時のブラッター会長の思惑として、クラブ世界一決定戦の主催を、UEFAとCONMEBOLの共同主催からFIFAに奪還する目的があった。そして、「FIFAクラブ世界選手権」が創設され、2000年1月初旬にブラジルのサンパウロとリオデジャネイロで、第1回大会が開催された。第2回大会が、2001年にスペインで開催される予定だったが、「トヨタカップ」との並列という不確かな意義のためにスポンサーが集まらず、開催の運営を委託していたISLの倒産などの理由で中止になり、「FIFAクラブ世界選手権」は宙に浮いた形になっていた。

しかし、FIFAは調整を続けて、2005年に「トヨタカップ」を吸収し、「FIFAクラブ世界選手権」を復活させた。スポンサーのトヨタや日本テレビ、「トヨタカップ」の運営を行っていた電通へ配慮して、日本での開催を継続し、トヨタカップの名称を使用することで妥協している。そして、2006年に名称もFIFAクラブワールドカップに改められた。大会は、2008年までトヨタカップ吸収時の合意に基づき東京で開催された。

過去の開催国と優勝クラブは以下の通り。

  • 2000年、ブラジル、優勝クラブ: コリンチャンス
  • 2005年、日本、優勝クラブ: サンパウロ
  • 2006年、日本、優勝クラブ: インテルナシオナル
  • 2007年、日本、優勝クラブ: ミラン
  • 2008年、日本、優勝クラブ: マンチェスター・ユナイテッド
  • 2009年、アラブ首長国連邦、優勝クラブ: バルセロナ
  • 2010年、アラブ首長国連邦、優勝クラブ: インテル
  • 2011年、日本、優勝クラブ: バルセロナ
  • 2012年、日本、優勝クラブ: コリンチャンス
  • 2013年、モロッコ、優勝クラブ: バイエルン・ミュンヘン
  • 2014年、モロッコ、優勝クラブ: レアル・マドリード
  • 2015年、日本、優勝クラブ: バルセロナ
  • 2016年、日本、優勝クラブ: レアル・マドリード
  • 2017年、アラブ首長国連邦、優勝クラブ: レアル・マドリード
  • 2018年、アラブ首長国連邦、優勝クラブ: レアル・マドリード
  • 2019年、カタール、優勝クラブ: リバプール
  • 2020年、カタール、優勝クラブ: バイエルン・ミュンヘン
  • 2021年、アラブ首長国連邦、優勝クラブ: チェルシー

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