メッシ効果

by Shogo

スポーツを見る動機はいくつか考えられる。最もわかりやすいのが、そのスポーツが好きでプレイそのものを楽しむことだ。そして、ある特定の選手が好きで、その選手のプレイを見たいという動機。さらに、国際イベントの場合は、ジャパンを応援するためという動機もある。このような動機は、競合することなく、積み重なってスポーツを見る動機を強化する方向に働く。

イチローの引退以来、MLBの試合をあまり見ていなかったが、大谷翔平の移籍以来、MLBを見るようになった。放送をしてくれるNHKに感謝している。そして、WBCだ。あれは、3つの動機が重なって大きな関心を生んだ。残念ながら、負けてしまったが、なぜしこジャパンの活躍の応援もそうだ。

アメリカのメジャーリーグサッカー(MLS)は、リオネル・メッシの加入以来、人気が急上昇している。しかも、加入後の5試合連続でゴールを決めている。注目に応える働きをして、その結果、さらに人気が高まっている。

メッシも36歳になっている。多くの選手が現役を引退する年代だ。そのため今回のMLS移籍も他の多くの選手がそうだったようにMLSと言う年金リーグへの参加と考える人も多かった。ヨーロッパでのプレイを終えたデビット・ベッカムやウェイン・ルーニーなども、余生をMLSでプレイしている。

しかし、メッシは違う。昨年の12月のワールドカップでは、アルゼンチンを優勝に導き、今年は、所属チームのパリ・サンジェルマンでは、リーグアン連覇に貢献している。まだ、現役の選手だ。

インテル・マイアミはメッシが加入するまで最下位のチームだった。それがメッシの加入以来、勝利を続け、浮上の可能性がある。メッシの働きも大きいが、バルセロナでのチームメイトだった、MFセルヒオ・ブスケッツ、DFジョルディ・アルバなどの強化も大きい。いかにメッシでも、一人でプレーはできない。

メッシのMLSでの働きが目覚ましいということは、逆にいうと、MLSのレベルが低いということでもある。ヨーロッパのリーグにいるようなレベルのデフェンダーがMLSには当然いない。しかし、多くの人はスター選手の活躍を見たいのであって、プレーのレベルを見たいのではない。

メッシの加入は大きな話題だが、そのメッシが5試合連続でゴールを決める。この結果が、さらに多くの人の関心集める。喜んでいるのはデビッド・ベッカムを始めとするインテル・マイアミのオーナー達、MLSの関係者だけではなく、Appleもだ。報道によれば、Apple TV+の MLSシーズンパスはメッシの加入以来、2倍に増加していると言う。

AppleはMLSの全世界独占配信権に年間2億5000万ドル支払っている。Appleはメッシのインテル・マイアミ加入を後押しするために、メッシ加入後の新規Apple TV+ MLSシーズンパス加入者からの収入の一部をメッシに分配する契約を行ったと報じられている。

AppleもメッシのMLSの参加が大きな効果産むと言うことを予期していただろう。しかし、これほどとは思わなかったのかもしれない。

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