ロシア月探索機「ルナ25号」の打ち上げ

by Shogo

昨日は、なでしこジャパンがスウェーデンに負けてしまった。スペインやノルウェーとの戦いぶりを見てきているので、勝つ可能性の方が高いと思っていた。しかし、昨日は立ち上がりから、明らかに劣勢であったのは間違いない。それでも後半に入ってから徐々に盛り返して良い攻めを何度も行うことができた。しかし、残念なことに結果は準々決勝の敗退で終わった。エンジンがかかるまで時間がかかってしまった印象だ。

今回の大会を見ると日本の女子サッカーは男子サッカー以上にプレイが進化していることがよくわかる。来年のオリンピックや次の大会にもつながることが期待できる。それに加えて、WEリーグの低迷の流れも変わることも期待したい。

このなでしこジャパンの敗戦以上に驚いたのは、ロシアが月着陸を目指すロケットを打ちあげたことだ。無人の月探索機「ルナ25号」で、月の南極周辺に着陸を目指すそうだ。月の南極周辺には氷が埋蔵されている可能性があり、この氷の採取を無人着陸機を使って行うそうだ。順調にいけば8月23日ごろに着陸する。7月に打ち上げられているインドの月探査ミッションの「チャンドラヤーン3号」も同じ頃に、月の南極域に着陸するようだ。どちらか、両方が月の氷を採取するかもしれない。これで、長らく停滞気味だった、人類の月の研究がさらに進む。

ロシアの月探査ミッションに驚いたのは、ウクライナ侵略で戦況が苦しいと伝えられの中で、月探査を行う余裕があったと言うことだ。

しかし、実際にはロシアは経済制裁で苦しんでいるわけではない。経済制裁にもかかわらず、ロシアのGDPは今も成長を続けている。今年の第二四半期の前年同期比で4.6%の成長しているので、経済制裁の効果は全くないようだ。

日本やアメリカだけのメディアを見ていると、ロシアは経済的にも追い込まれているように見えるが、実際には中国やインドのような多くの国がロシアとの貿易を続けており、経済的にはあまり困っていない状況だ。むしろ、西側諸国が、経済制裁によるエネルギー危機のために成長が大きく鈍化している。

だから、宇宙開発も予定通りに進められているかもしれない。それと、ロシアの伝統の一点豪華主義もある。

ソ連の時代から、アメリカに対抗して核を含む軍事や宇宙開発は、他の分野に優先して行われている歴史がある。1957年にはスプートニク1号打ち上げて、人類史上初の人工衛星を成功させた。そして、1961年にはユーリ・ガガーリンを宇宙飛行士を地球を周回軌道に送り、地球を一周させた。宇宙開発のトップの国だった。

これに危機感を抱いたアメリカは、ケネディ大統領が人類を送る計画を発表して、アメリカの威信をかけて対抗した。そして、アメリカはアポロ計画で月着陸を成功させたが、スペースシャト計画での度重なる失敗を受けて、宇宙開発は停滞した。

一方のロシアの宇宙開発はその後も順調に成長を続け、1990年代には、国際宇宙ステーション(ISS)建設にも参加し、宇宙開発の中心的な役割を果たしてきている。

アメリカがスペースシャトル計画の中止のために、ISSへの宇宙飛行士の輸送ができなくなると、世界中の国はロシアのソユーズロケットを打ち上げ手段として頼ることになった。イーロン・マスクのスペースXが登場するまで、アメリカの予算縮小による宇宙開発の停滞を尻目にロシアはロケットの打ち上げを何回となく行ってきている。

これは単純なロケットの打ち上げは、既に枯れた技術でこの50年以上、スペースXの誕生まで新しい技術か誕生していないことの裏返しでもある。だから、ロシアはまだ冷戦時代の技術でロケットの打ち上げの中心の地位を保っている。

そのような状況を考えると、ロシアが月探査を行うのは驚くことでもないのかもしれない。

だが、メディアで報道されているロシアの経済状況と半導体などの技術開発の遅れが刷り込まれているので、月探査機の打ち上げのニュースに驚いたのだ。

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