外国語の習得

by Shogo

フランス旅行では、当然のことながら、レストランやホテルなど観光業の人たちは英語がしゃべれて何の問題もなかった。Uverのドライバーで英語ができない人がも何人かいたが、それでも多少の英語で意思は通じる。

たまたまOECDのデータでヨーロッパの国の外国語を話せる人の割合の記事を読んだ。その記事によれば、ヨーロッパの中ではイギリス人が母国語以外の言語を話せず、英語のみと言う人が65.4%いて、最も高い割合だ。自国語しか解さない人の割合は、ルーマニアは64.2%、ハンガリーが57.6%、 スペインが45.8%、フランスが39.9%、イタリアが34.0% となっている。EU加盟国平均では35.4%。これに対して、北欧諸国のスウェーデン、ノルウェー、デンマークなどは3%から7%しかいない。このデータを見ると、やはり、ヨーロッパは地続きで人の往来も多いから外国語の仕様も多いと想像する。ルーマニアやハンガリーの比率が高いのは、長らく共産圏で交流が閉ざされていたからだろう。この調査は、2016年にEurosatが行ったものだ。

フランス人の39.9%がフランス語しかしゃべれないと言うデータは、感覚的には違っている。南フランスではフランス語しかしゃべれない人がそれなりに多かったような気がするからだ。

しかし、これを日本で考えてみると、2016年の楽天インサイトが全国の20代から60代男女の1000人を対象に行った調査では、英語が得意と答えた人は8.7%だった。他にも2017年のInternational Social Survey Programme(ISSP)の調査によれば、日本語しかしゃべれない日本人は87%、 2ヶ国語しゃべれる人が9%、 3ヶ国語しゃべれる人が1%、 4ヶ国語以上しゃべれる人が3%と言う結果が出ている。

この母国語しかしゃべれない人の割合の87%は、この調査の対象29カ国中で中国について2番目に高い数字だ。この調査でも母国語しかしゃべれないフランス人の割合は60%でEurosatの調査と近い数字になっている。

ちなみに、この調査で母国語しかしゃべれない人の割合が最も少なかったのは台湾でわずか10%である。

この調査全体では、母国語以外の外国語が理解できる人の割合が50%を超えている国が29カ国中15カ国もあり、多くの国では多言語化が進んでいる。これを考えると、日本は外国の習得が苦手ということなのだろうか。学校教育で英語をそれなりに学ぶが使えていない。同じ島国のイギリスは母国語依存が高く、Eurosatの調査でも65.4%が英語のみと言う結果だ。これは1つには英語と言う世界の共通語が母国語であると言うことも影響しているであろう。対して、日本語は日本の外では通じないために、イギリスと状況は違うにもかかわらず、外国の習得がされていない。

世界で使われている言語別の人口は、Ethnologueによれば、1位が英語の13.48億人、2位が北京語の11.2億人、3位がヒンディー語の6億人、4位がスペイン語の5.42億人、5位がアラビア語の2.74億人。人口は英語と北京語は近いが、北京語は38カ国で使われており、英語は146カ国語で使われていると大きな違いがある。これを考えても、英語が世界の共通語になっていると言うことがよくわかる。今後の日本の成長分野の一つと考えられている観光を考えると、もう少しだけ日本人は英語を学ぶ必要がありそうだ。

冷戦終結後のグローバリズムの時代は終わったと言われるが、それでも様々な面で世界の国々との関係はなくなることはない。だから、やはり外国語の習得は必要と考えられる。とは言うものの、フランス旅行の前に1ヵ月ほどフランス語の学習を行ったが、ほとんど身に付かなかった。学生時代の第二外国語としてのフランスはもうとっくに忘れている。とりあえず簡単な挨拶とレストランやホテルで使う文章だけ覚えたが、もうしばらくフランスに行くこともないので、その文章さえすぐに忘れる。外国語を学ぶというのは難しいものだ。

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