日本の半導体製造能力はシェア13%

by Shogo

半導体は、生活に関わるあらゆる場所に使われている。コンピューターやスマホだけではなく、自動車や家電製品まで電気で動くものには必ず使われていると言っても良いだろう。半導体は不可欠である。半導体不足のために自動車の製造ができないということが起こったことは記憶には新しい。

その半導体の国別の製造能力についての記事を読んだ。データの元は、半導体の業界団体SEMIによるものだ。世界の半導体製造能力の25%は韓国にあり1位。2位は 中国の22%、3位は台湾の22%、日本は4位の13%、 5位がアメリカで8%となっている。

4位までの日本で80%を超え、韓国、中国、台湾だけでほぼ70%だ。半導体で日本はもう少しシェアを持っていると思っていたが、韓国、中国、台湾に比べるとかなりシェアが低い。

半導体産業は1900年代から60年代にかけて、アメリカが主要な生産国でほとんどアメリカで作られていたと言って良い。その後、日本は半導体生産において中心的な役割を果たすようになり、80年代には世界の市場の5割を超えるシェアを持っていた。しかしながら、1990年代になり、韓国、台湾、中国が半導体製造に参入して日本のシェアは低下した。

韓国は1980年代から半導体産業を国家戦略として育成を開始。サムスン電子やSKハイニックスがDRAMやNANDフラッシュメモリでシェアを伸ばした。

台湾は世界最大の半導体受託生産(ファウンドリ)拠点として発展してきた。台湾積体電路製造(TSMC)が中心的な企業になり、Appleなどが製造を委託している。

中国は半導体自給率が3割程度と低く、国産化が課題だった。2015年に半導体国産化戦略を打ち出し、SMICなど国内メーカーの育成と海外企業の誘致に力を入れている。これは、アメリカの安全保障上の観点からの半導体輸出規制強化により半導体の自給率が重要になっていると思われる。

中国が半導体に力を入れるのは、半導体が軍事まで含めて重要な技術要素だからだ。特に米国との対立により半導体の自給率を高め、高性能の半導体の製造に力を入れているようだ。

一方アメリカは半導体が全ての技術の中心だから、半導体製造における優位性を取り戻すことが課題になっている。2022年8月に半導体科学法(チップ法)を可決して、国内の半導体製造産業の推進に約2800億ドルを割り当てた。

ウクライナにおける戦争でもロシア製の半導体を使わない、旧式兵器は圧倒的に弱いことが証明された。だから、半導体製造は、国力全体だけではなく、軍事力にも決定的な要素にあることが明らかになっている。このため、各国も自国内での製造については積極的だと思われる。特にAI産業の発展を考えると、NVIDIAのようなAIの中心になるような半導体の開発が今後各国の間で競争が激しくなる事は間違いない。日本は、かつてのシェアを取り戻すことは難しいにしても、AIに使われるような高性能半導体製造に、政府も含めて力を入れたらそうだろう。素人考えなので、的外れなのだろうが。

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