ソニーのFavoriteSpace

by Shogo

ソニーは、スポーツファンのコミュニティを活性化させる新サービス「FavoriteSpace™(フェイバリットスペース)」を開始した。このサービスは、ソニーのテクノロジーとエンタテインメントのノウハウを活用し、新たなスポーツの楽しみ方を提供するのだそうだ。

FavoriteSpaceは、スマホ向けアプリとして提供され、ユーザーはアバターを通じて、スポーツチームの歴史が詰まったバーチャル空間「エリア」を訪れることができる。ここでは、チームの特色に合わせたコンテンツやコミュニケーションを楽しむことが可能。例えば、ソニーグループのHawk-Eye Innovationsのトラッキングシステムを活用した没入感のある3DCGコンテンツを視聴することができるそうだ。

ソニーグループのHawk-Eye Innovationsは、すでにサッカーなどの試合でゴールラインテクノロジーとして、試合の判定に使われている。

それ以外にも、ソニーのスポーツへの取り組みは幅広い。

1. メタバースとXR技術の活用

ソニーは、メタバースやXR(VR、AR、MR)技術を活用してスポーツ体験を変えている。例えば、マンチェスター・シティとの提携により、バーチャルスタジアムでの3DCGコンテンツを提供し、ファンがアバターとして参加できる新しい応援体験を創出している。

2. ホークアイとパルスライブの技術

Hawk-Eye は、試合のトラッキングデータを収集し、ファンに没入感のある体験を提供している。また、パルスライブと協力して、仮想現実(VR)体験を提供するモバイルアプリを開発し、ファンが試合を異なる視点から視聴できるようにしている。

3. ソーシャルメディアとデジタルコンテンツ

ソニーは、川崎ブレイブサンダースと協力して、ソーシャルメディアを活用したファンエンゲージメントの強化を図っている。試合の印象的なシーンを数値データと組み合わせた動画コンテンツを生成し、TikTokなどのプラットフォームで配信することで、新規ファンの創出を目指している。

4. スマートテニスセンサー

テニスのプレーを解析するスマートテニスセンサーを開発し、プレーヤーのスキル向上をサポートしている。このセンサーは、テニスラケットの振動を解析し、ボールのインパクト位置を可視化することで、効率的な練習を可能にしている。

すでに、これらの取り組みを通じて、ソニーはスポーツ体験をデジタル化し、ファンと選手の新しいつながりを創出することを目指してきている。FavoriteSpaceもその延長線上だ。

FavoriteSpaceの第一弾として、マンチェスター・シティ・フットボールクラブのコンテンツが楽しめる「マンチェスター・シティ・エリア」が公開されている。このエリアでは、マンチェスター・シティのホームスタジアムであるエティハド・スタジアムがバーチャル空間に忠実に再現されており、ファンは自分のアバターで訪れることができる。スタジアム内では、過去のホーム試合のハイライトを自由視点で視聴でき、バーチャルならではのコンテンツを楽しむことができるという。まだ見ていないのでわからないのだが。

また、FavoriteSpaceでは、ファン同士やファンとチーム・選手とのつながりを深めることができるという。バーチャル空間に集まったファンのアバターは、感情表現のスタンプ、肩を組むなどのアクションを通じて、国籍や言語を超えてチームへの想いや情熱を共有できる。さらに、試合日にバーチャル空間で開催されるイベントへの参加や、アバターのカスタマイズ、ファンバナー制作への参加など、さまざまな形で応援の気持ちを表現することができるという。

FavoriteSpaceは無料機能に限定した実証版サービスとして、日本、米国、英国の3か国で提供されてた。10月からは有料機能を含む正式版サービスが開始される予定だそうだ。今後は、さまざまなチームやサッカー以外のスポーツのエリアやコンテンツ提供を進め、体験の拡充を図っていく予定だという。

ソニーは音楽、映画、ゲームなどのエンターテインメント領域に注力している。祖業である電気機器はすでに利益でも重要性は低下している。そして、今後の成長を考えるとエンターテイメントの領域ではスポーツは外せないということなのだろう。

ソニーは、スポーツの分野にテクノロジーを活用し、スポーツのデジタル化を推進していくようだ。これにより、ファンが仮想空間で試合を観戦し、インタラクティブな体験を楽しむことが可能になる。Hawk-Eye のように実際の試合をサポートするだけでなく、そのようなテクノロジーを駆使することで、ファンに新しいスポーツ体験を提供し、スポーツエンターテインメントを創造しようとしているようだ。

他の電気機器メーカーが活力を失い、あるいは消えてゆく中で、ソニーは新たな分野で創造性を発揮しているようだ。

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