スピルバーグとNetflix

by Shogo

スティーブン・スピルバーグのアンブリン・パートナーズが、Netflixと複数年の契約を結んでNetflix用の作品を制作することを発表した。

しかし、これは、アンブリンが長い関係のあるユニバーサルとの契約を破棄したことではない。アンブリンは昨年2020年に5年契約を結んで、ユニバーサルとその子会社で配給する映画を、年に3本から5本制作すると言うことを発表している。

つまり、アンブリンは、劇場公開用の映画を3本から5本制作するが、Netflix用にも複数の劇場用映画を制作していくと言うことになる。

今までも同様だが、アンブリンが制作する映画のすべてをスピルバーグが監督するわけではない。アンブリンが制作してアカデミー作品賞とった「グリーン・ブック」は、監督はピーター・ファレリーだし、アカデミー賞で3部門を受賞した「1917」は、007の映画で有名なサム・メンデスだ。スピルバーグの次に公開される監督作品は「ウエスト・サイド・ストーリー」でこれはディズニーで公開されるされる。

このようにすでにアンブリンは、長い関係のあるユニバーサルと契約があるがそれは独占契約ではなく、自由に契約などを決められると言うことでのようだ。今までも配給契約は、その都度変わってきている。

映画界の最大のヒットメーカーであるスピルバーグは、ある程度自由に、様々なプロジェクトを行えるようになっているようだ。

そして、今回はNetflixとの複数年の契約を行った。2億人の契約者を持つNetflixは、潤沢な製作資金を持っている。これで、ある意味スピルバーグを買った。スピルバーグにとっても、今後のプラットフォームでるストリーミングの巨人と組むことは、重要と感じたのではないだろうか。今まで多くの映画会社やテレビ会社と契約してきている。

アカデミー賞のルールについて、スピルバーグとNetflixは、昨年対立があったと伝えられたが、それは後に事実ではなかったと報道されている。Netflixのようなストリーミングで最初に公開された作品をアカデミー賞にノミネートすることに、スピルバーグが反対していたと伝えられた件だ。特に、Netflixが製作した、「マンク」や「シカゴ7」が候補になるかどうか議論されていた頃だ。

アカデミー賞のノミネートの条件は、ロスアンジェルスで劇場公開されたことだ。

原則として前年の1年間にノミネート条件(ロサンゼルス郡内の映画館で連続7日以上の期間で最低1日に3回以上上映されていて、有料で公開された40分以上の長さの作品で、劇場公開以前にテレビ放送、ネット配信、ビデオ発売などで公開されている作品を除く、など)を満たした映画作品

Wikipedia

しかし、劇場が休業していた2020年の映画としては、特例でインターネット配信をした映画も対象となっている。この特例が今後も続くかどうかわからない。今回のことがきっかけとなって、そのままストリーミングの作品もノミネートされるような気もする。

今回の契約の際に発表したコメントの中で、スピルバーグは、大きなスクリーンや小さなスクリーンと言う問題ではなくて重要なのは良いストーリーであり、誰もが良いストーリーにアクセスできる環境が必要だと述べている。また同時に、劇場についてもコメントしていて、劇場の存続を願うし、劇場での映画経験が今後も文化として残っていくことを望んでいるとしている。

個人的にも、映画を見ると言う体験は大きな劇場で真っ暗の中でスクリーンに没入すると言うことが重要だと感じている。パンデミックによってこのような経験が制限されている事はやむを得ないが、このような制限が終わったら、劇場で映画を楽しみたいものだ。

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