広告詐欺対策

by Shogo

日本のインターネット広告費は、2019年にテレビ広告を抜き、2020年にはマス4媒体の合計とほぼ同額に達した。そして、さらに今後も成長続けると予想されている。

特に、YouTubeやTikTokなどの動画主体プラットホームが人気を集め、5Gの普及が進むと、成長が著しい動画広告がさらに成長すると思われる。さらに、テレビが、コネクテッドTVになり、インターネットを経由した広告の配信が増加しているために、今までのデバイスの中心であったPC、タブレット、スマホに加えてテレビもインターネット広告の重要なデバイスになってくる。また、屋外広告でも、インターネット接続して、広告を配信しているものも増えている。

このように順調に成長しているインターネット広告であるが、一方で、アドプラウドと呼ばれる広告詐欺の問題も起こっている。

アドフラウドの方法はたくさんあり、代表的なものとしては、自動更新がある。広告を自動的に更新することで、インプレッションを稼ぐ方法だ。あるいはクリックフローリングは、実はクリックがないのにクリックがあるように偽装する方法が取られていることもある。

インターネット広告では、インプレッションやクリック数が報告されて、それが課金のためのデータとなる。広告費を水増し請求するために、インプレッション数やクリック数を増やすための仕組みが様々と開発されてきたのだ。

日経新聞によれば、このような広告詐欺を防ぐために広告関連の3団体が、一般社団法人デジタル広告品質認証機構を設立したと言うことだ。

その設立の3団体とは公益社団法人日本アドバタイザース協会、一般社団法人日本広告業協会、一般社団法人日本インタラクティブ広告協会だ。つまり広告主とその広告を取り扱う広告代理店が一緒になってインターネット広告の品質改善に取り組むと言う事のようだ。

具体的には、広告事業者や広告を載せるサイトの運営会社を対象に認証を行う。認証の方法は3種類あって、外部機関の面談が必要な第三者検証、海外の類似機関から認証を受ける海外認証、それとデジタル広告品質認証機構の基準に基づいて企業が自ら減少する自己宣言と言うことだ。

最初の2つは別にして、最後の自己宣言はどういうことだろう。これでは認証自体が意味がないような気もする。本当にこれを認めるのだろうか。対象の会社が多くて手が回らないということを予想して、抜け道を用意していると思われても仕方ない。

日経新聞の記事によれば、日本における広告詐欺の金額は数百億円から1000億円超と推定されている。企業にとって、ますます重要なマーケティングの手段であるインターネット広告が、詐欺に悪用されると言うのはあってはないことだ。

広告がマス広告中心であった時代には、広告を掲載するメディア会社は、テレビ局のような免許を受けた事業者であったり、新聞社のような社会的信用のある会社が中心であった。しかし、インターネット広告においては、サイトを運営する会社は比較的小規模な会社も多く、新規参入も容易だ。そのために反社会勢力に利用されることありえるために、広告詐欺の可能性もある。

広告詐欺を防ぐためには、どのようなサイトに広告が掲載されるのかを関連の事業者が厳しくチェックをするとともに、提出されたデータが詳しく分析をして、異常がないかをチェックすることが、重要だ。そして、詐欺が見つかった場合には、刑事告訴などによって排除してゆくなどの対策を取らなければない。

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