スポーツと侵略行為

by Shogo

予想した通り、チャンピオンズリーグの決勝がロシアのサンクトペテルブルクから変更になった。5月28日に決勝が行われるスタジアムはパリのスタッド・ド・フランスだ。金曜日に開かれたUEFAの緊急理事会で決まった。関連した動きとして、マンチェスター・ユナイテッドは、ロシア国営航空会社のアエロフロートとのスポンサー契約を打ち切った。

そして、問題になっているのは、チャンピオンリーグのスポンサーのガスプロムとの契約だ。ガスプロムは、ロシア政府が50.23%の株式を持っているロシア半国営会社。天然ガスの生産・供給では世界最大。ウィキペディアによれば、天然ガスの生産高は全世界の23%、埋蔵量では世界の38%を占めると言う。今年のチャンピオンリーグの決勝の会場だったサンクトペテルブルクの会場も、ガスプロムがネーミングライツを持っていて、「ガスプロム・アリーナ」と呼ばれる。UEFAは、ガスプロムとのスポンサー契約をどうするか決めなければいけない。

チャンピオンリーグのスポンサーは、8社あり、ガスプロムはその中の1社だ。他は、ハイネケン、ソニー、ペプシマスターカード、出前サービスのJust Eat Takeaway.com、それにオンライン旅行予約のエクスペディア。8分の1だから、小さくはないが判断が必要だ。チャンピオンズリーグなら、スポンサーはいくらでも見つかるだろう。

ガスプロムは2012年からチャンピオンズリーグのスポンサーになっている。他にも、クラブのスポンサーになっていて、ロシアのZenit St. Petersburg FC、ドイツのSchalke 04 FC、 セルビアの Crvena Zvezdaだ 。Schalke 04 FCは、最近引退した内田篤人選手が長い間、プレーしていたから日本でも有名だ。Schalke の胸のスポンサーだから、ガスプロムのロゴはよく見ている。ロシア以外のクラブは、このスポンサー契約をどうするだろうか。できれば、各国政府が肩代わりして、ガスプロムの契約を解除してもらいたい。

UEFAだけではなく、IOCもオリンピック停戦競技に違反したとして、ロシアを避難する声明を出していた。さらに、理事会を開いて、ロシアとベラルーシで開催予定の大会を中止するように呼びかけた。スポーツと政治は別とはいうが、今回の出来事では、そうは言えない。

ロシアの侵略行為については、21世紀に起こるとも思えないような出来事だ。合理的に考えれば、得になるような事があると思えないような行動をなぜロシアを取るのか理解できない。今や、侵略によって、隣の国の土地を支配することに大きなメリットはない。

20世紀のソ連の復活を夢見るように、20世紀的な感覚で行っているだろうか。このようなことが今後起こらないためにも、武力によらない、経済的・文化的な、強い制裁を世界各国が協力してロシアに課してもらいたいものだ。

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