話題が途切れることのないイーロン・マスクが、また新たなニュースになっている。Twitter社の9.2%の株式を購入して、筆頭株主になった。今までの筆頭株主のバンガード社の8.8%を超える株式を保有している。バンガードは資産運用会社だから、Twitter社の個別の案件に対で口出しをするような事はないと思われる。だが、今回の株式取得は、この筆頭株主のバンガードの上位の株主になるための株式を集めた事は明確だ。9.2%の株式は、前CEOで創業者のジャック・ドーシーの保有株式2.3%はるかに超える。
マスクのTwitter株式の価値は、先週末の終値で計算して28億9000万ドル(約3555億円)となる。しかしこれは、マスクの2700億ドルの資産から見れば、はした金なのだろう。
しばらく前よりマスクは、Twitterが言論の自由を守っているかどうかをフォロワーに問いかけてきた。それに対して8,000万人のフォロワーの70%が否定的な回答した。これを受けて、新しい言論の自由のためのプラットフォームが必要で、独自のプラットフォームを自身が創設することを検討するとツイートしていた。
それが今回のTwitter社の株式取得につながったようだ。ただ個人的には今のTwitter社の言論の自由に対する問題を理解していないのでイーロン・マスクが何を変えようとしているのかよくわからない
しかし現時点で1つだけはっきりしているのは、彼の株式取得によって、Twitter社の株式は30%上昇し、すでに大きなキャピタルゲインを得たことだ。
Twitter社は、ジャック・ドーシーによって2006年に創業し、2013年には上場を果たしている。それまでになかったソーシャルメディアとして、人気を世界中で得ている。上場以降も売上高は伸びているが、利益は低迷している。このようなスタートアップのIT企業によく見られるように、ユーザが増え売り上げも伸びているが費用がかさんで赤字が続く。このため2021年の段階では累積赤字が10億ドルに達している。売上の伸びが、Facebookなどの他社に比べれば、順調ではないとも言える。それが理由だと思われるが、CEOだった創業者のジャック・ドーシーは、もう一つの彼の起業した会社であるスクエアに専念するためとしてCEOを昨年11月に辞任している。
その前後より、企業買収などの方法により、様々な有償のサービスの提供を開始したり、広告主向けの新しい広告商品も開発をしている。これの結果が出るのは、もう少し時間が必要だ。
株主的には不満が多い状況だと思われるが、イーロン・マスクのツイートを見る限り、彼の問題意識はそこにはないようだ。あくまでも言論の自由のためのプラットフォームの問題にしているために、現在のTwitter社のポリシーの変更を求めるのだろうか。Twitter社ではヘイト行為や公序良俗に反するような一般的なことを、そのポリシーに記している。特に問題のあるような文章が含まれていない。筆頭株主になることで、何を変えようとしているのか現時点では全く分からない。