Googleの親会社、Alphabetの減益

by Shogo

アメリカ・ヨーロッパを始め、世界各国で新型コロナウイルス対策の規制が緩和されたためか、Googleの親会社のAlphabetは今年の第1四半期の利益が、対前年同期比で8%減少したと発表している。

四半期の利益が、前年を下回るのは2020年第2四半期以来と言う。2020年第2四半期に利益額が前年を下回った理由は明確にパンデミックの影響である。その頃に新型コロナウィルス感染症が世界的に広がり始めた。各国でロックダウンなども行われ、経済が大きく減速した。これが、企業の広告活動の縮小をにつながり、結果的にAlphabetのボトムラインに影響を与えたのだ。しかし、その後、ステイホームの影響で、Googleを始めとする多くのIT企業は、パンデミックによる規制の恩恵を受けてきた。例えば、2021年第4四半期は、利益額が前年から36%増加している。

それと、今回の減益のもう一つの要因は、ロシアのウクライナ侵略による影響だ。Alphabetは、ロシアにおける営業を停止している。最近の数字ではないが、2012年時点ではAlphabetの総収入の1%がロシアからだった。この影響が多少とも出ているはずである。

Alphabetの第1四半期の純利益は164億4000万ドルで、前年の前年同期の179億3000万ドルから比べて18%の減少となっている。これはアナリストの予想を下回りその結果、株価は4%下落した

また、発表によれば、保有株の評価損で、10億7000万ドルの損失を計上している。Alphabetは、移動サービスのLyftやセキュリティー会社のADTの株式を保有しているが、どちらも株式市場の減速で株価が下がっている。それに伴い、10億7000万ドルの評価損が出て、第1四半期の減益の原因の1つとなっているへ。

Googleは、2つの主要な広告事業を行っている。YouTubeと検索広告である。YouTubeの広告は、2021年と比べて14%増加している。しかし、ロシアの侵略により、ヨーロッパの広告主がYouTubeへの支出を控えたために、予想より成長は鈍化したという。

検索広告は前年同期比で24%伸びているが、昨年から比べると伸び幅が小さくなった。これは、成長が鈍化したと言うよりも、パンデミックの影響受けて2020年に減速した後、2021年は、むしろパンデミックの影響で急成長したっているので、前年と比べるだけだ。比べるとすると、前年比ではなく、パンデミックの影響がなかった2019年と比べるべきである。

パンデミックの期間を通じて、Alphabetは、インターネットの利用の増加のために、大きな恩恵を受けてきた。それが通常のモードに戻ってきているだけだ。

検索広告は前年同期に比べ24%の伸びと言うのは、普通では大きな伸びだ。それが期待値に届かない原因は、パンデミック以外にある。Googleにとって収益源である買い物の検索の際には、最初からAmazonや楽天などのショッピングモールで検索することが多くなっている。結果的に Amazonが検索広告の収入を大きく伸ばしてきている。これに対抗するためにGoogleも、検索の際にオンラインショッピングで購入が可能な商品を検索結果に含めるようになってきた。これはAmazonへの対抗措置だが、これが奏功して、Googleの検索広告が伸びたのかどうかは現時点ではわからない。

だが、最近モルガンスタンレーが行った調査によれば、GoogleとYouTubeでショッピング検索を始める人の割合が2020年の50%から60%に増加していると言う。この調査の結果からは、Googleの努力が私たちの行動に影響与えているようだ。

Alphabetの第1四半期の利益が、前年比8%減少したといっても、それでも大きく伸ばしている事は間違いない。パンデミックの収束が視野に入ってきた今、今後の成長の方法を探らなければいけないのはAlphabetだけではない。

当面のAlphabetの課題は、検索広告が、オンライン買い物客のニーズにへ対応して、Amazonへの広告費の流れを食い止められるかどうか。YouTubeが、TikTokなどの短い動画のプラットフォームとどのように対抗するかにかかっている。

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