期日前投票に行ってた後、写真を撮りながら古本屋さんに写真集の出物がないかチェックに行った。帰ったら、家族が「Extremely Loud & Incredibly Close 」のDVDを借りてきていたので一緒に見た。公開時に見たかったが見逃していた映画だ。
9/11の時にワールドトレードセンターにいて死んだトム・ハンクス扮する父親が残した鍵が発端のストーリー。亡くした父を探すかのように、ニューヨークで関係のありそうな、たくさんの人を少年が訪ねて歩く。その鍵のミステリーも、うまく解決して気持ちが良かった。
それよりもあの悲惨な事件を経験した町と家族のストーリーは、つらくもありまた傷ついた人たちの触れ合いが心にしみるように、豊かな気持ちになれる。9/11のお話と思っていたが、9/11は始まりで、傷ついた家族、息子と母、死んだ父の両親の家族の再生の話だ。ドレスデン生まれの祖父の話と2つのストーリーからなりたつ小説を、祖父の話を省略した脚本なので小説も読みたいと思っている。
トム・ハンクスが自分の古いものを見せる場面があり、その中にカメラがあった。ドレスデン生まれの彼の父、少年の祖父からもらったという説明があって、ドレスデンのカメラのExakta、エクザクタがストーリーに登場する。このカメラを使って出会った人の写真を少年は撮っていく。カメラが重要な役割を果たしている。しかし、どうでもいいことだが、カメラを見せるだけで使い方の説明をするシーンがないので、このフルマニュアルのカメラを、9歳の少年が使うのは結構大変だと思う。それは大目に見ましょう。こんないい話を、そんなことでつっこみを入れるからカメラ好きはよくないな。
その登場するエクザクタはウエストレベルファインダーがついていて、ペンタプリズムがないモデルで、確か昔のニコンのようにファインダーが取り換えができたような気もする。映画では、写真のようにウエストレベルで使うのではなく、スポーツファインダーで使っていた。Exakta Varex IIaの製造会社のIhageeイハゲーは少年の指で隠れているが、戦前から続くドレスデンのカメラメーカーだ。エクザキタの原型は30年代に造られ、ペンタプリズムはないが、一眼レフの先祖と言って良いカメラだ。。
多分、祖父がもっと登場するのなら、ドレスデン生まれの祖父とドレスデンのカメラの関係などが語られるのだろうが、カメラについての説明は全くなかった。カメラファンとしては先の一点と合わせてやや不満。
とは言え、主人公をはじめとする登場人物がみんなよくてよい映画だった。数日前に9/11の時のことを話題にしていたのでその偶然が不思議な感じがした。