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下北沢の街のありかたの問題は、国のありかたの問題でもある。どんな暮らしをするのか。そのために社会、経済、街はどうあるべきなのか。そのグランドデザインが見えなくなってしまったのが、高度経済成長を遂げた日本の問題だ。
田中角栄は日本列島改造論という高度経済成長と両輪になった国のインフラ整備のビジョンを曲がりなりにも示した。その後、そのようなビジョンはないし、それに基づくグランドデザインもない。政治家というより日本にそれがない。現実にはすでに有効ではなくなった、彼の考えの亡霊がまだ生きてこの国の政治や税金の使い道を縛っている。
下北沢で日本で私たちはどのような暮らしをしたいのか。そのために何が必要なのか。言えることは、戦後造られた経済政策やインフラ整備計画に基づいた都市計画ではないだろう。固定観念としがらみに縛られない新しい街づくりをと願うのみである。
車の入れない一角と有効に整備された道路網の共存。日本人の生活のありかたと理想を前提としたグランドデザイン。歩いて犬を散歩して買い物したり食事できる安全な街と、経済を支える幹線。求めるべきものはそこにあるような気がするが、政治や行政に阻まれて利害の調整ができていないもどかしさ。
一夜明けて、惜しい試合を落とした残念な気持ちと、デンマークがカメルーンに勝って勝ち点でも並び、次のデンマーク戦への緊張感が高まる。24日に向け代表にはもうひと頑張りをお願いしたい。