写真の白トビと黒ツブレ

by Shogo

昨日は大雨で暖房が必要なほど寒かった。でも週の初めは朝晩は涼しかったものの、日中は日射しも強く散歩には良い天気だった。今日の写真は多分、月曜日のそんな強い日射しで撮ったものだ。photographyとは光の画なので、写真を撮る時は光を探してうつむいて歩いていることが多い。この時は強い光で葉と影の区別がつきにくかったが、写真になると思ったより葉が写っていない。

デジカメは暗さに強いので、恐れるべきは白トビだ。 この写真でも壁の一番明るいハイライトの部分は白トビを起こしている。暗い場所では強いが明暗が極端な場所には弱い。反対にフィルムは明るいハイライトは粘りが強いが、暗い場所に弱いので、暗い場所では黒ツブレを起こしやすい。

ネガフィルムはデジタルよりラティチュードが広いと言われるが、一番広いのは人間の眼でかなり暗い場所から明るい場所まで同時に見ることができる。広いというネガフィルムでも、昔に比べると環境対策で銀の量が減っているので昔ほどは広くないということだ。

今年の夏は印画紙を買ったついでに、昔の製法で作られているefkeというクロアチアのフィルムを使ったが、ややコントラストが低く、その分ハイライトに粘りがありハイライトの階調が出やすいようだ。これも好みのものだろう。感じとしてはトライXやイルフォードのHP5に似ている。このところ昔に比べるとハイライトがしっかりしている硬い階調の写真が好きになってきたので、夏も終るのでいつものT-maxで良いかなと思う。それ以前に大量に備蓄したので使わなければいけないということもある。

さらにモノクロの場合には印画紙にプリントする際のラティチュードの問題もあり、印画紙の限界を超えられないのでフィルムだけの問題ではなく、 印画紙でどう出せるかを考えなければいけないから、その制限もある。今日の写真のような状況はネガフィルムでも難しく、影を仕上げようとすると光が当たった木の幹の質感を出すのは困難だろう。

何をどの程度出すか考えてコントラストや濃度を考えなければいけない。焼き込みや覆い焼きをすれば良いのだが、渡部さとるさんも「旅するカメラ4」に書いている様に「普通に焼く」ことを考えているので、余計な操作はしたくないからさらに難しくなる。と言っても、その難しさをどう乗り越えるか工夫することが楽しいのだが。

今朝も睡眠不足で早くから起こされたが、雨が上がったばかりかまだ少し残っている感じなので、昨日に続き、朝の散歩には行かなかった。

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