Stay Hungry. Stay Foolish.

by Shogo

昨日、会社に着くとNews Alertのメールが来ていてスティーブ・ジョブスの死を知った。慌てててニュースサイトを見るとアメリカのサイトは、すべてトップでそのニュースを伝えていた。

彼の死は、同時代に生きる私たちに与えた影響からも、それもアメリカだけではなく世界中で大きなニュースだ。もし彼がいなくても、私たちは似たような生活をしていた筈だが、多分それは今とは少し違っていただろう。

でも、では彼がエジソンやダビンチのように何かを発明したかというと、それも違っている。ニュースではマウスを発明したかのような報道がされていたが、事実ではない。マウスをポインタに使う方法を発明したのはゼロックスのパルアルト研究所だ。彼はそれを見に行って、ある意味では盗んだのだ。多分、記憶では後から特許料的に支払いをした気がする。

では、彼がしたことは、生活者を前提とした製品を作ったことだ。最初のAppleも今のiPadも同じだ。大企業向けの、型にはまった機能だけの製品ではなく、デザインにこだわって、使い勝手にこだわって、私たちが使いたくなる製品を作り続けたことだ。

かつてウォークマンと呼ばれたポータブル・オーディオは、今はiPodと呼ばれる。iPodはフラッシュメモリーを使った音楽プレイヤーとしては、ネットワーク・ウォークマンよりも、ずいぶんと後で発売された。ネットワーク・ウォークマンは、独自の圧縮形式と厳しい著作権管理のために使いつらいものだった。私も何台か使ったが、後にiPodに乗り換えた。iPodは使いやすい管理ソフトと簡単な音楽ダウンロードなどシステムとして優れていた。これは企業からの発想で作られたのではなく、使う方の立場から考えられたからだと思う。

そしてデザインだ。彼は徹底的にデザインにこだわったそうだ。それは外観やソフトのユーザー・インターフェースからパッケージに至るまで一貫している。たとえコストが上がっても筐体を型押しではなく、削りだしで曲線を出すなどもやっていた。機能と同様にデザインにもこだわったわけだ。

有名なスタンフォード大学でのスピーチに大学を中退した後で書体の勉強をしたことが、後にマッキントッシュを作るときに役立った話が出てくる。その当時のPCは書体などということを考えたこともない人が作っていた。表示されれば良かったのだ。表示や出力品質にこだわったために、マッキントッシュは非常に高価でシェアは取れなかったが、デザイナーなどはマッキントッシュしか使いものにならなかった。そして、今はそれが当たり前になった。

自分の信念に徹底的にこだわること、それが彼がやってきたことだと思う。会社では独裁者と呼ばれ、そのためにマッキントッシュ発売後にくびにもなった。それでも、信念は変えなかったのだろう。でなければ、ピクサーでToy Storyを完成させるまで4年もかけてやらなかっただろう。CGは前からあったし、CGアニメもあった。でもフルCGアニメを作ろうとした人は彼の前にはいなかった。未来を夢見る力と製品に対する使い勝手やデザインのテイストを持ったひとだったのだろう。

彼とその実の父親との話をちょっと前に読んでいて、思うこともある。それも書きたいが今日は時間が無い。良い天気なのにまだ散歩に行っていない。昨夜帰ってから久しぶりにスタンフォード大学でのスピーチをみた。多分、みんな見るべきだろう。元気になれる。最後はThe Whole Earth Catalogueからの引用で結ばれる。「夢を見続けろ、小賢しくなるな」

世界中のみんなが彼のことを忘れないだろう。歴史に残るひとだった。スティーブ、安らかにお眠りください。

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