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気温が下がってガレージ暗室も耐えられそうなので、溜まった現像済みのフィルムのベタをとる。コンタクトプリントという人もいるが、ベタがイメージに合う。
印画紙に透明なネガケースに入れたフィルムをそのまま置いて光を当てる。露光などは調整しないので機械的な作業だが、ブローニーも含めて30本ほどあるので多少時間はかかった。ベタをとるのは四切りなので、風呂場に干せるのは10数枚、なので時間をかけてお茶を飲んだり本を読んだり、一日かがりでベタ焼き終了。
ベタでめぼしいカットを見つけてワークプリントを作るのだが、これが難しい。ベタで見た時と六切りのワークプリントでは印象が変わることもある。ベタを焼かず、ネガをライトボックスで見て焼くプリントを決める人もいるが、ピントなどはネガで確認できてもネガの陰陽の逆転のイメージを想像するのは素人には難しいのだ。なので必ずベタは焼いている。
ベタから1枚もプリントしない場合もあり歩留まりは低いのは、撮る時にプリントのことを考えずに単に撮るのが楽しくて撮っているからだ。もう少し後のことも考えればよいのだが、それが趣味の楽しさだし、そもそもそんな計画的な人間ではない。
誰だったかベタが一枚の写真になっている作品を作った人がいた。そのようにコントロールして一本のフィルムを撮影するのは設計図と確かな技術が必要だろう。
しばらく前に「The contact sheet」という本を買ったが、いろいろな写真家がどのように撮影して、どのフレームを選んで作品したか分かって興味深かった。