海外の健康情報の記事を読むと、必ず地中海食が登場する。同じような記事は何度も読んでいて、わかっていても、ついつい読んでしまう。すでに地中海食の健康効果はよく知られているので、改めて読む必要がないのに、無駄な時間を使ってしまうものだ。
今朝の新聞に出ていた記事も全く同じような話だ。1950年代に研究者が7カ国で、数千人の中年男性の健康と食生活を含む生活習慣を調べた。この結果、発見されたのは、飽和脂肪酸とコレステロール値が環状動脈性心臓病との間に関連性があると言うことだった。それと、もう一つは、イタリア、ギリシャ、クロアチアなどの地中海沿岸に住む人は、他の地域に住む人より心血管疾患の発症率が低かったことだ。そして、これを地中海沿岸に住む人の食生活と結びつけた。彼らの食生活は、果物、野菜、豆類、全粒粉、ナッツ類、飽和脂肪酸の少ないタンパク質、健康的な脂肪分が、心血管疾患の予防効果と結びつけられた。ここから、彼らの食事法が地中海食として知られるようになったという有名な話だ。
これ以来、地中海食は健康に良い食事法として世界中で注目を浴びて、心血管疾患だけではなく、糖尿病や他の病気の予防にも効果があることがたくさんの研究の結果証明されている。
最近の研究でも、2018年に発表された研究では、26,000人の女性を対象に行われ、地中海食を最長12年間、忠実に守った人は心疾患系リスクが25%減少していた。これは、血糖値や炎症、肥満を抑えたためと報告されている。また別の研究でも神経疾患やがんなどの慢性疾患の原因となるDNAの損傷を引き起こす酸化ストレスから体を守ることもわかっている。つまりそう明確には書かれていないが、がんの予防効果もあると言う事のようだ。だが、地中海沿岸でがんの発生率が低いという話は聞かないから、これはどの程度信憑性があるのだろうか。
さらに、昨年12月に発表された研究では、7800人の女性を対象にして、妊娠初期に地中海食を守った人は、妊娠合併症のリスクが21%減少することがわかった。2021年の別の研究では、認知力にも効果があることが明らかになっている。地中海食に切り替えた、最初の10日間ほどで、注意力、認知力、充実感などを認知機能の向上に気がつくと言う。
このように良いことばかりなのだが、地中海食に含まれているナッツやオリーブオイルなど、健康に良いが、高カロリーのために大量に摂取すると、肥満につながる食品も含まれているため、体重には気をつけなければいけないようだ。しかしながら、これは日本人には当てはまるが、欧米人のように大量に牛肉を食べる人が地中海色に切り替えた場合については、むしろ体重減少が認められるようだ。
私だけかも知らないが、地中海食という言葉を聞いたのは、多分この10年位のことで、それ以前は全く聞いたこともなかった。多分それは健康情報の記事などを読んだりしないからであって、一般的には知られていたのかもしれない。いつの間にか健康オタクになったからかもしれない。
地中海食として勧められている食品は全て、健康オタクが食べる、健康的なものだ。全粒穀物、果物、野菜、豆類、ナッツ類、ハーブ、スパイス、オリーブオイルが中心で、動物タンパク質としては、サーモン、イワシ、マグロなどの魚を食べ、鶏肉は少量程度。牛肉・豚肉やバターのような飽和脂肪酸を含む食品は全く食べない。卵やヨーグルト、チーズなどの乳製品も地中海食に含まれるが多くを取らない。そしてアルコールに関しては、グラス一杯のワインが認められる。たくさん飲んではダメのようだ。
お勧めメニューもたくさん書かれていた。その中のフムスが食べたくなった。フムスは、家では作らないが、たまにテイクアウトをするレバノン料理の店のものを食べている。あれが久しぶりに食べたくなった。連休中に行ってみよう。