Spotifyの成長は続いているようだ。確かに数百枚持っているCDは何年も触っていない。そろそろ処分を検討する時期に来たのかもしれない。
Spotifyの2024年第3四半期の業績発表では、月間アクティブユーザー(MAU)は6億4,000万人、プレミアムサブスクライバーは2億5,200万人に達し、それぞれ前年同期比で増加した。
Spotifyは2008年にヨーロッパでサービスを開始して以来、音楽ストリーミング市場のリーダーとして急成長を遂げてきた。創業当初、音楽ストリーミングがまだ黎明期であった時代に、無料の広告サポート型と有料プレミアムプランの両方を提供するビジネスモデルでスタートしている。定石とも言えるビジネスモデルだ。ただし、当時は音楽は不法ダウンロードで無料と思われている時代には大きな賭けだっただろう。
その後、2013年にはアクティブユーザー数が3,000万人、プレミアムユーザー数が800万人に達し、その後も急速に増加して現在に至る。
ユーザー基盤の拡大と収益モデル
- 価格戦略とプレミアムプランの値上げ: 2024年第3四半期にはプレミアムプランの値上げが収益増加(前年比21%増)に寄与。また、ARPU(1ユーザー当たり平均売上高)の11%成長も報告されている。
- 広告収益モデル: 無料プランを利用するユーザーからも広告収益を得るモデルを採用しており、この収益も着実に増加。
- 多様なコンテンツ提供: 音楽だけでなく、ポッドキャストやオーディオブックも統合的に提供することで、他社との差別化を図っている。これにより、ユーザーエンゲージメントが向上し、新規ユーザー獲得にもつながっている。
グローバル市場での競争力
Spotifyはグローバル市場で強い競争力を持っている。2023年には世界の音楽ストリーミング市場で33%のシェアを占めており、この地位は依然として揺るぎないものだ。Apple Musicも、デバイスの普及を背景に追いかけているが、Spotifyの王座は揺るいでいない。
- 地域別シェア: プレミアム会員数では欧州が38%、北米が27%、ラテンアメリカが22%、その他地域が14%と分布している。一方で、MAUでは「その他地域」(日本やアジア含む)が33%と最も高いシェアを占めている。
- アルゴリズムによるパーソナライズ: Spotify独自のアルゴリズムによるパーソナライズ機能がユーザー満足度向上に寄与しており、Apple MusicやAmazon Musicなど競合他社との差別化要因となっているのだそうだ。これは、無料会員としてだけで使っていたから、よく分からない。
音楽業界全体の成長
音楽業界全体でもストリーミングサービスが主流となっており、その成長がSpotifyにも追い風となっている。2023年にはストリーミング収益が物理メディアやダウンロード販売を大きく上回り、市場全体の収益源として確立された。
The Business Research Companyは、音楽ストリーミング市場が2024年には339億7,000万ドルに達し、2028年には577億8,000万ドルに達すると予測している。
Spotifyは、効率的なコスト削減を行いつつ、イノベーションとトレンドへの適応によって、市場におけるリーダーとしての地位を維持し続けている。最新の決算は市場予想をわずかに下回ったようだが、投資家は楽観的な見方をしているようだ。
Spotifyは、今後数年間でさらに成長が見込まれる音楽ストリーミング市場において、トップを守るのだろう。 とは言え、個人的には、Apple OneにApple Musicが付いてくるのでSpotifyを契約する予定はない。