2024年のインターネット広告費

by Shogo

2024年の日本の広告が発表された。総広告費は前年比104.9%増の7兆6,730億円となり、過去最高を更新した。その中でもインターネット広告費はデジタル化の進展を背景に堅調に拡大し、前年比109.6%増の3兆6,517億円に達した。インターネット広告費は総広告費全体の47.6%を占め、広告市場における中心となったことが明らかだ。

インターネット広告媒体費

インターネット広告費から制作費や物販系ECプラットフォーム広告費を除いた「インターネット広告媒体費」は前年比110.2%増の2兆9,611億円となった。この成長を牽引したのは以下の要素だ。

動画広告

前年比123.0%増の8,439億円と最も高い成長率を記録。特にSNS上で展開される縦型動画広告が市場拡大に寄与した。

ソーシャル広告

前年比113.1%増の1兆1,008億円で、初めて1兆円を突破。SNS系と動画共有系が市場の大部分を占めている。

検索連動型広告

構成比40.3%で最も高い割合を占め、前年より111.2%増加して1兆1,931億円に達した。

取引手法別構成比

インターネット広告媒体費は取引手法別は以下の通り。運用型の成長率は相変わらず高い。

  • 運用型広告  前年比111.1%増の2兆6,095億円で、媒体費全体の88.1%を占める。
  • 予約型広告  前年比105.4%増で2,789億円。
  • 成果報酬型広告  わずかに減少し前年比99.3%で727億円。

動画広告市場

動画広告はインストリーム型(動画コンテンツ内)とアウトストリーム型(コンテンツ外)がほぼ同水準で構成されている。インストリーム型が4,260億円(構成比50.5%)、アウトストリーム型が4,178億円(構成比49.5%)だったた。また、動画広告市場全体では運用型取引が84.4%を占めている。

ソーシャル広告市場

ソーシャルメディア上で展開されるソーシャル広告は前年比113.1%増加し、構成比37.2%となった。SNS系が41.3%、動画共有系が36.8%、その他が21.8%となっている。特にYouTube/TikTokなどの動画共有系が前年から割合を伸ばしており、ソーシャルでも動画広告は成長しており、今後も注目される分野だ。

動画広告が最も成長した理由

動画広告が成長している理由として、いくつかの要因が挙げられる。

1. SNSプラットフォームでの縦型動画広告の普及

SNS上で展開される縦型動画広告が市場拡大に大きく寄与。InstagramやTikTokなどのプラットフォームでは、短時間で視聴者を引き付ける縦型動画が主流となり、ユーザーエンゲージメントを高めている。

2. モバイル端末の利用増加

スマートフォンを中心としたモバイル端末の利用が増加し、動画コンテンツが手軽に視聴できる環境が整っている。これにより、ユーザーは移動中や短い休憩時間などに動画広告を視聴する機会が増えている。

3. 高い訴求力とブランド認知効果

動画広告は視覚と聴覚を同時に刺激するため、静止画やテキスト広告よりも高い訴求力を持っている。また、ストーリーテリングを活用した広告はブランド認知や感情的な共感を促進し、消費者との関係構築に効果的。

4. AI技術によるターゲティング精度向上

AI技術の進化により、ユーザーの行動データや嗜好を分析して適切なターゲティングが可能になっている。これにより、動画広告がより効果的な形で配信され、広告主のROI(投資対効果)が向上。

5. 動画制作コストの低下

以前は高額だった動画制作コストがテクノロジーの進化によって低下し、中小企業や個人事業主でも動画広告を活用しやすくなった。このことが市場全体の拡大につながっている。

これらの要因が相まって、動画広告は高い成長率を記録している。今後も動画広告は日本のインターネット広告市場で重要な役割を果たすと予測される。

インターネット広告は、今後も成長することが予測され、その中でも動画広告が中心になってゆくことは間違いない。

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