コーヒーの健康効果が知られて、コーヒーを飲むことに罪悪感がなくなった。しかし、限度は1日3、4杯と言うことでなるべくそれを超えないようにしている。それも基本的には朝飲むだけにしていた。
しかし、日中に疲労感や眠気を感じて、仕事を続けるためにコーヒーを飲むことがよくある。その後、しばらくは調子が良いのだが、時間が経つにつれて余計眠気を感じることがある。カフェインの一時的なブースター機能が切れるからだと思われる。
今朝読んだ睡眠についての記事によれば、人間の体は朝起きた時から夜眠るために準備を始めていると言う。日中の活動により細胞や組織はアデノシン三リン酸(ATP)と言う分子の形でエネルギーを燃やしているそうだ。ATPが消費されると、細胞はアデノシンと言う化学物質を副産物として発生させ、このアデノシンが脳の受容体と結合して眠気が誘われるという。
カフェインはアデノシンと分子構造が似ているので、脳のアデノシンの結合部分を先に占めて、アデノシンが脳の受容体に結合して眠気が生まれるのを阻害する。その結果一時的に眠気を抑えて、目が覚めることになると言うメカニズムのようだ。
問題は、脳の受容体と結合されなかったアデノシンが体に蓄積していくことだ。このためカフェインの効果が切れると急激に眠気を催すことになる。
しかも、カフェインは飲めば飲むほど体の中で耐性がつくので、肝臓はカフェインを早く分解するタンパク質を作って適応していく、同時に脳のアデノシン受容体も、カフェインに対抗して増殖を続け睡眠サイクルを維持しようとする。体の中でカフェインと言う1種のドラッグを中心にして、睡眠を守る争いが活発になる。このようなことが続くと、睡眠に悪い影響が出て疲労感が強くなると言う。
このことを知ると、疲れを感じた時にコーヒーを飲むのではなく、少し昼寝をして回復して仕事を続けたほうが良いと言うことがよくわかる。結局は、カフェインもアルコールと同じようにドラッグで体の微妙なバランスを崩す効果がある。
今の仕事は、1人でこもって1人でするものだから、今までのように誰かと話をして気分を紛らわせるたりできるわけではない。このために疲れを感じたときに、ついコーヒーを飲んでしまう。考えてみれば会社人時代は朝から晩までコーヒーを飲み続けて多分1日10杯位飲んでいただろう
それに比べれば、コーヒーの摂取量は減っているが、体のほうもはるかに老化して、カフェインを分解する能力は何分の1かになっているはずだ。と言うことで、このところの習慣で日中に飲むコーヒーを今後はやめたほうがよさそうだ。