アジアでのラグビー普及

by Shogo

アジアにおけるラグビーの統括団体のアジアラグビー(Asia Rugby)が、レッド・ストライク(Red Strike)と言うマーケティングエージェンシーと契約を発表した。

アジアラグビーは、ラグビーそのものが、野球やサッカーに比べると人気がないためにあまり知られていない組織である。ラグビーの国際統括団体であるワールドラグビー(World Rugby)傘下の大陸連盟の1つである。

ワールドラグビーは、サッカーではFIFA、オリンピックではIOCにあたる組織で、ダブリンに本部を持つ。以前は国際ラグビー評議会(インターナショナルラグビーボード、略称IRB)呼ばれていた。2014年に、広告会社のマッキャン・エリクソン出身のブレット・ゴスパー氏がCEOだった時代に、ワールドラグビーに名称変更した。アジアにおける大陸連盟のアジアラグビーフットボール協会も、ワールドラグビーに合わせてアジアラグビーと名称が変更された。

アジアラグビーには、現在36の加盟国があり、その全てがワールドラグビーの加盟協会ではない。アジアにおけるラグビーはまだ発展途上であり、多くの国では、ラグビー協会そのものが小規模であり、普及も進んでいないために、ワールドラグビーにはまだ加盟していないものと思われる。

アジアラグビーは、アジア地域におけるラグビーの普及や地域全体の大会を統括している。主な大会は、アジアラグビー選手権やアジアラグビーセブンスシリーズなどがある。しかし、アジアにおけるラグビーの実情を反映して小規模なものである。今回レッド・ストライクと契約をすることにより、アジア各国におけるラグビーの普及や、既存や新規の大会などのスポンサーの獲得、コンテンツの開発を行うとしていると言う。

レッド・ストライクはマンチェスター・ユナイテッドの元社長である、マイク・ファーナン氏によって2014年に設立された会社のようだ。現時点でロンドン、チェスター、ケープタウン、クアラルンプール、シドニーにオフィスを持っているので、それなりの規模の会社ではあるようだ。ただ業務内容は調べてみたが、あまり多くは公表されていない。レッド・ストライクは昨年よりスリランカのクリケットリーグのランク・プレミアリーグの業務や2020年からナイジェリアのサッカープロリーグの仕事を行っているようだ。ウェブページには、ゴルフ、ラグビー、モータースポーツ、サッカーなどの業務を行っていると書かれているが、具体的な事は何も書かれていない。実績としてスリランカとナイジェリアのスポーツ団体との業務だけなので、実態はよくわからない。どう見ても、どちらも大規模な業務ではなさそうだ。

アジアにおけるラグビーは、最も普及が進んでいる日本で登録選手が11万人程度だ。アジア各国では、かろうじてアマチュアでプレイされていると言う状況である。レッド・ストライクとアジアラグビーが今後、アジア地域におけるラグビーの普及を進め、ラグビーの強国が誕生することを祈る。日本のラグビーは、アジアでは圧倒的に強いために、アジア内での強化試合の可能性は無い。これは日本のラグビーにとっても不幸なことだ。

サッカーにおいては、オーストラリアは以前はオセアニアの大陸連盟に所属していた。しかし、強化の機会を求めて、現在はアジアの大陸連盟、AFCに加盟して、アジア地域でワールドカップなどの予選を戦っている。その結果、オーストラリアはサッカーの強豪国となっている。レッド・ストライクがどのような業務を行うのかわからないが、遠い将来であっても、日本の競争相手になるようなラグビーの強い国が生まれると、日本ラグビーにとっても良いことだ。

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