ワイルドカード・シリーズ

by Shogo

日本ではオリックスが優勝して野球の日程終わっている。オリックスの優勝が、26年ぶりということでも話題になった。

それに付随して話題になったのは、21世紀になって優勝していないチームだ。その数は、オリックスの優勝で4から3チームになった。残っているのは、広島、阪神、DeNA。これは、当分ネタにされそうだ。

アメリカではワールドシリーズはまだ始まったばかりで、ヒューストン・アストロズとフィラデルフィア・フィリーズが1勝1敗のタイで3戦目は雨で流れている。メジャーリーグベースボール(MLB)は、そもそも試合数が日本より多く、ポストシーズンも複雑なので、シーズンが長い。アメリカではもうしばらく野球のシーズンが続きそうだ。

MLBは、今年から日本のクライマックスシリーズにあたるポストシーズンの参加チーム数を増やした。以前の10チームから12チームとなった。このため、ポストシーズン進出の可能性があるチームが多く、レギュラーシーズンの最終週には164万人の観客を集めたそうだ。2015年以来の高い観客数だと言う。

その人気は、ポストシーズンまで続き、ポストシーズンの試合のテレビの平均視聴者数は、昨年よりもかなり高くなっている。

新フォーマットの初年度の今年は、ワールドシリーズまで進出したフィラデルフィア・フィリーズは、以前の参加チーム数であればポストシーズンに進出できていない。

昨年の労使交渉の結果として、ポストシーズンの参加チームを、アメリカンリーグとナショナルリーグのそれぞれ6チームまで増やし、新たにポストシーズンにワイルドカードシリーズが新設された。

これによりポストシーズンは、リーグ優勝を決めるまで3つのシリーズを戦わなければいけない。最初は、ワイルドカード・シリーズ、続いてディビジョン・チャンピオンシップ・シリーズ。それぞれのディビジョンチャンピオンシップの勝者がリーグ・チャンピオンシップ・シリーズで対戦して、リーグ優勝を決める。その優勝チームがワールド・シリーズ進出という流れだ。

MLBの30チームは、アメリカンリーグとナショナルリーグの2つのリーグに分かれている。それぞれの15チームは3つの地区に分かれてレギュラーシーズンで地区優勝を争う。

昨年までは、アメリカンリーグ、ナショナルリーグともにリーグ優勝を決めるために、それぞれの地区の優勝3チームに加えて、優勝チーム以外で勝率の高かった2チームをワイルドカードとしてポストシーズンに参加させていた。今年から、ワイルドカード・シリーズを新設して、各地区の優勝チーム以外で、勝率3位がワイルドカード・シリーズに進出する。

地区優勝チームにアドバンテージを与えるために、勝率1位と2位の地区優勝チームは、ワイルドカード・シリーズ参加は免除される。勝率3位の地区優勝チームは少し残念だろう。地区優勝3チーム以外の勝率の上位3チームも参加して、ワイルドカードシリーズを行う。

昨年までの2チームまでのワイルドカードが3チームになり、フィラデルフィアフリーズは、勝率3位のチームとしてワイルドカードシリーズに出ることができた。

MLBは、チーム数が多いこともあり、複雑なポストシーズンとなっている。しかし、今年のこの観客動員数やテレビ視聴率が示すように、ワイルドカード・シリーズが加わったことにより人気が盛り上がっている。やはりスポーツと言うのは区切りがあって、そこで勝者が決まる争いを見るのが楽しいのだろう。今年から、ワイルドカードシリーズで一段階増えたから余計に盛り上がっている。

ダニエル・カーネマンが発見したピーク・エンドの法則では、人はピークと終わりの経験を強く認識する。MLBのポストシーズンも、ワイルドカード・シリーズが増えたことにより、ピークの数が増え、盛り上がっていると人は感じるのかもしれない。

去年まででは、ポストシーズンには出られなかったフィリーズが勝ち抜いて、ワールドシリーズまで進出している意外さも、観客動員数やテレビの視聴率に影響しているのだろう。日本でも、同様のことが起こって、日本シリーズを制したことがあった。フィリーズはどうなるだろうか。

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